▽「中国の人たちの瞳はきらきらと輝いていた」
その後すぐ、中国訪問の声が掛かった。この初めての中国への旅を思い出すと、中野さんは今も興奮してしまうという。
「合計5日間、飛行機を降りたところから始まって、どこへ行っても『真由美(チェンユーメイ)』と呼びかける人たちに取り囲まれました。後になって初めてこの3文字の意味を知ったのですが。その呼び声がずっと耳に残っていて、日本に戻ってからもずっと消えませんでした。中国の人たちの情熱に驚きながらも、大変深く印象に残っています。この感覚は、もしかしたら健さん(高倉健)にしかわからないかもしれません」
1979年、上海で熱烈な歓迎を受ける中野良子さん。(本人提供)
初めての中国訪問での経験に話が及ぶと、中野さんは、当時中国で改革開放が始まったばかりであることを知らなかったが、「中国の人たちの瞳がきらきらと輝いていた」のを見て、社会が発展の活力に溢れているのをはっきりと感じたと話す。
1979年、中国の子供達と中野良子さん。(本人提供)