【新華社北京3月13日】米デューク大学の研究者はこのほど、他の霊長類と比べ人類の睡眠時間が少なすぎるという研究結果を発表した。人類は体重や脳容積、摂食パターン、生活スタイルなどの要素から毎日平均9・55時間の睡眠が必要だが、実際は約7時間しかないことが判明した。
同大学の研究者が米科学誌「American Journal of Physical Anthropology」の最新号に発表したところによると、これまで研究がなされた霊長類30種類の睡眠状況を過去の研究データから分析した結果、人類の睡眠時間が最も少なく、実際の睡眠時間と理論上必要な睡眠時間との差が最大であることが分かった。
研究者は、二つの統計モデルを使ってデータを分析し、生理的特徴や行動パターン、生活環境に基づき各動物の睡眠時間を計算した結果、類似の結論が得られた。
30種類の霊長類の中で、睡眠時間が最も長いのは南アメリカに生息するヨザルで、1日の睡眠時間は17時間に達する。また、アカゲザルの睡眠時間は10時間強で、人類に最も近い霊長類であるチンパンジーの睡眠時間も10時間弱だった。
人類の睡眠時間が少ない原因について、研究者は、草原で生息し野獣の脅威にさらされる人類の祖先たちは、学習と社交の需要もあって、睡眠時間を犠牲にしたと推測している。
ただし、人類の二つの睡眠タイプのうち、急速眼球運動(REM)を伴うレム睡眠の時間が統計モデルで計算した結果と一致しており、短くなったのは急速眼球運動を伴わないノンレム睡眠だけだった。なぜノンレム睡眠の時間が犠牲にされたかはまだ解明できていないという。
別の専門家は「現存する霊長類は約300種類もあり、30種類のデータで得られた結論に普遍性があるかどうか、さらなる検証が必要だ」と指摘している。
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