【新華社雪竜号3月14日】南極のアムンゼン海付近で海洋総合調査を行っている中国第34次南極観測隊がこのほど、極地観測船「雪竜」号に搭乗し、偏西風の中心海域とサイクロンの影響を受けるエリアに入り、南極環流の中心区域の全深度断面観測データを獲得した。
「雪竜」号は6日早朝から、西経126度の最初の観測地点に到達し、温度・塩分・水深の観測と採水作業を開始した。それから数日にわたって、調査隊は、偏西風とサイクロンの影響を受けるエリアの悪天候と海況を克服し、海洋の温度・塩分濃度・海流の測定やトロール網を使った生物サンプルの採取など一連の作業を行った。さらに西経126度に沿って南から北に進み、南緯64度から60度の間の5つの観測点での観測を行い、偏西風の全深度断面観測を首尾よく完了させた。
観測隊に隊員として参加している中国海洋大学の史久新教授によると、南極環流は主に南半球の西風によって起こる地球で最強の海流であり、東西を貫く唯一の海流でもある。世界の海洋物質とエネルギー循環に重要な役割を果たし、世界の気候システムの重要な一部をなしてもいる。西経126度断面は、この海域で過去データのある2つの断面のうちの1つ。米国がかつてこの断面を観測した。今回の観測で獲得した新たなデータは気候変動の研究に重要な意義を持つ。
観測隊の隊長で首席科学者の楊恵根氏は、これは中国の南極観測隊が偏西風と南極環流の中心海域で初めて実施した全深度断面観測で、獲得したデータはここ数十年の南極海の水塊と環流の変化の研究にとって重要な参考価値を持つと述べた。
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