【新華社北京1月30日】インターネットと電子商取引(EC)の急速な発展に伴い、中国はすでに世界のフードデリバリー量最大の国となっている。北京、上海、広州などの常住人口が500万~1千万人の「特大都市」では、若いサラリーマンの間でスマホを操作してグルメを楽しむ習慣ができ上がっている。
公開されているデータによると、中国の2大デリバリープラットフォームの1日の注文数は2千万件以上となっている。業界内では、2020年までに中国のオンライン決済人口は7億5千万人を超え、デリバリーの浸透率も約80%に達すると予想されている。つまり6億人がオンラインデリバリーのユーザーになる計算だ。また、中国の宅配業者が2017年に配達した小包は400億個まで増加、全世界の小包量の45%を占め、増加寄与率は60%以上に達している。
政治協商会議北京市委員会の范承玲委員は、産業の大きな発展の背後に、包装ゴミの氾濫とプラスチック汚染があると指摘する。統計によると、2016年のビニール袋使用量は宅配業のみで147億個に達した。
2018年は中国が「レジ袋規制令」を実施してちょうど10周年となる。同委員会の曾心苗委員は調査の結果、実店舗のスーパーやデパートで使用される使い捨てレジ袋はやや減少しているが、フードデリバリーと宅配業では包装材を必ず使用するため、使い捨てビニール袋の全体使用量は増加の一途をたどっており、「レジ袋規制令」の効果が大きく損なわれていると気付いた。
「デリバリーのビニール袋の使用コストはかなり安い。現時点では、市民の自覚によるデリバリー包装の利用減少やゴミの分別による効果はそれほど見られない」。曾心苗氏は、例えばデリバリー包装コストの大幅な引き上げや、冷蔵や冷凍品の輸送に繰り返し使える「通い箱」の使用を求めるなどの強制力ある政策を発表して使い捨て包装材の使用を制限する必要に迫られていると述べた。
北京工業大学循環経済研究院の戴鉄軍教授によると、平均使用時間がわずか1時間のデリバリーに用いられる一般ビニール製弁当容器は、生分解に数百年を要し、消費者の段階で分別しないなら、かなりの処理コストが必要になるという。
政治協商会議北京市委員会の多くの委員は、より先進的なゴミ回収体系を速やかに構築しなければならないと考えている。特にデリバリーや宅配業で、方向性を持った包装材リサイクル規定を制定し、リサイクル業務を部門や系統的な行政管理ラインに組み込むべきだとしている。
范承玲氏は同委員会で、デリバリープラットフォームや宅配業者が、自社の物流の強みを利用し、回収チェーンを構築して廃棄包装材を自主的に回収するなど、より多くの環境保護に責任を追うべきだと提案した。
「デリバリーや宅配便のスタッフは出荷や配送の際に回収任務を負うべきで、その場での開梱と回収を提案している」。范承玲氏は、リサイクル可能な包装材の回収に対して返金し、保証金制度、ポイント還元、割引の進呈などの方法を通して、宅配便包装材のリサイクル業務を促進できるとも述べている。
曾心苗氏は、完全分解可能なビニール袋の広範な使用推進が急務になっており、特に科学技術のイノベーションの効果を発揮して、製品性能の向上と分解可能なビニール袋製品の価格引き下げを推進すべきだと考えている。
范承玲氏は「完全分解可能なビニール袋の研究開発や使用の推進には、政府が関連政策において支援することが必要だ」と語った。
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