【新華社上海8月15日】中国上海でこのほど、第3回「上海対話ー芸術は未来を開く」サミットフォーラムが開催された。巨大な消費の潜在力、インターネットの急激な発展、国内外市場のニーズなどにより、中国の文化財・芸術品市場には新たな発展の流れが見られる。
中国オークション業協会が発表した「2017中国文化財・芸術品オークション市場統計年報」によると、2017年の中国文化財出品数は49万7164件(セット)で、成約数は24万909件(セット)、成約率は48・46%、成約額は310億5200万元(1元=約16円)となり、2016年の293億6600万元から5・74%増加した。同協会の黄小堅会長は、「改革開放の成果として、中国の文化財・芸術品市場は30年近い発展を経て、すでに一定の規模を備えており、市場シェアは国際的に上位に位置している」と述べている。
「量の減少と品質の向上」は依然として当面のオークション市場の重要な発展方向である。2017年の落札品の平均価格は3年連続で上昇しており、2016年に比べて1件(セット)当たり1万3700元上昇の12万8900元となっている。古書画や古書籍・碑帖(碑など金石文の書蹟から採った拓本)を除いた、他のカテゴリーの平均価格も軒並み上昇した。
中国では現在、芸術品を貨物として輸入する際に2種類の税金を納める必要がある。輸入関税と輸入段階における付加価値税である。国務院は今年7月、正式に芸術品を含む消費財の輸入関税を引き下げ、一部芸術品の輸入関税については3%の暫定税率を1%に引き下げた。芸術品関連関税の引き下げはこの6年で3度目となる。
中国文物(文化財)保護基金会の励小捷理事長によると、各方面の長年にわたる共同の努力により、現在税率が17%に定められている文化財・芸術品輸入段階の付加価値税の減免が、「すでに付加価値税管理条例改正の段階に入っている」との見方を示した。同措置が実施されると、海外に流出した中国文化財・芸術品の再流入には、一種の強心薬注入となり、海外コレクターの中国での取引コストを引き下げ、中国文化財・芸術品市場の繁栄を促進することになるという。
上海自由貿易区における、税関の「貨物が自由貿易区に入った後で税関に申告する(事後申告)」などの政策は芸術品の出入境作業の効率を大いに向上させた。同時に、この手続きは間もなく建設完了し運営を始める上海国際芸術品保税サービスセンターで全て行うことができ、多くの国外での重要な展示会や、取引機関の展示品あるいは取引品は同施設の中で保管し、さらに充実した芸術産業サービスを受けることができる。
「海外からの芸術品は上海国際芸術品保税サービスセンター内では、暫時輸入段階の関税と付加価値税の徴収が免除される」と、上海自由貿易区国際文化投資発展有限公司の胡環中董事長は説明し、「同時にここは現在では世界最大で、科学技術が最も多く組み込まれた芸術品総合保管・サービス施設でもある」とも付け加えた。
今回の「上海対話ー芸術は未来を開く」サミットフォーラムはまた「芸術品および貴重品保存・安全警備技術規範の制定」に関する活動を立ち上げた。中国文化産業の規範化の牽引と技術規範の面で新たな章の幕開けを後押ししていく。
上海自由貿易区保税エリアは、2017年末にはすでに、中国の便利で効率的な芸術品出入境ルートとなっており、出入庫貨物額は累計で300億元を超えている。同自由貿易区はここ数年、文化産業の対外開放を拡大し続けており、貿易円滑化のプロセスを通じて、多くの海外の優秀な芸術展や関連イベントを誘致しているだけでなく、中国の影響力のある文化製品の海外進出を推し進めてもいる。
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