【新華社フフホト8月15日】太陽の上半分のわずかな部分が11日夕方、黒い影に覆われた。顔毅華氏はコンピューターのモニターに映し出される画像と数値を見つめていた。この時、中国国家天文台明安図観測基地のパラボラアンテナははるか西に向けられ、その中心は太陽に焦点を合わせながら、太陽からやって来る電波の放射をしっかりと受け止めていた。中国の科学者が、草原の「天眼」で初めて日食の観測を行った。
国際天文学連合(IAU)太陽と太陽圏分科会主席で、中国科学院太陽活動重点実験室の顔毅華主任は「明安図電波スペクトロ・ヘリオグラフのアンテナにより、今回の日食の過程の中で太陽から放射される電波量の変化を観測した。これにより、宇宙空間における太陽の電波放射の分布を割り出すことができる」と語った。
明安図電波スペクトロ・ヘリオグラフは100基のパラボラアンテナで構成される世界一流の太陽電波望遠鏡で、「中国草原の『天眼』」と呼ばれている。顔氏は今回のプロジェクトのチーフサイエンティストを務めている。
草原の「天眼」が2013年に完成し運用して以来、初めての日食の観測となった。顔氏は、今回は部分日食の観測だが、一連の太陽活動に関する研究に必要な基礎データが得られると語った。
顔氏はまた「草原の『天眼』そのものに画像生成能力が備わっているものの、今回の部分日食の過程で、我々は画像生成観測を行いながら、従来の画像生成ができないアンテナ単体による観測も行った」と述べ、2つの異なる観測方法で得られたデータを比較することで、アンテナ単体による観測方式で空間の識別や観測を行う場合の信頼性を、よりいっそう確認できると明らかにした。
太陽の激しい爆発活動(太陽フレア)は宇宙天気災害を引き起こし、宇宙飛行、衛星通信、ナビゲーション、送電網の運営など、高度な技術システムや設備に被害をもたらす可能性があるという。地球上の大気は太陽からの放射電波に対し透明に近いため、地上型の電波望遠鏡は太陽活動を研究するための、最も基本的で重要な手段の一つだという。
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