【新華社上海7月25日】中国の研究チームはこのほど、初めて上海の大気中にある硫酸‐ジメチルアミン‐水の核生成現象を発見・証明し、上海の大気汚染を引き起こしているナノ・マイクロ粒子の生成、すなわち大気中の新粒子が生成される化学的メカニズムを解明した。これは中国の大気中にある粒子物質による汚染を防止し抑制する政策のために新たな科学的根拠を提供するものとなる。
この研究成果は20日、「中国典型的超大型都市における大気中の硫酸‐ジメチルアミン新粒子生成事象」というテーマで、米科学誌「サイエンス」に掲載された。 汚染度の高い都市の大気中にある新粒子の生成事象を解明すると、中国の大気中の粒子状物質、特に大気中の粒子状物質の二次生成問題について潜在的な防止・抑制措置を提供できるようになり、中国の微小粒子状物質のPM2・5による汚染や世界の気候変化を理解する助けとなる。
論文の責任編集者で、復旦大学環境科学・工学部教授の王琳氏は、中国の典型的な都市環境においては、汚染物質の一次排出に対する観測や管理を強化するだけでなく、汚染物質の二次生成にも同程度注目し重視する必要があるとの考えを示した。
また大気中の新粒子生成過程に関わる鍵となる化学物質に対してより指向性のある抑制、例えば二酸化硫黄の排出削減や、生産・生活汚水の処理能力向上などに取り組むべきであり、これにより空気中の粒子状物質の数量や濃度を減少させ、粒子状物質による中国の大気汚染を緩和していくべきだとの見方を示した。さらに、もしこのメカニズムが世界の気候モデルの中で活用されれば、世界の大気中の粒子状物質や雲凝結核(Cloud condensation nuclei)の数量をシミュレートし、地球全体の気候変動情勢を理解することができるとも語った。
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