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日本経済の回復基調が鈍化 米保護主義が最大のリスクに
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-07-11 08:29:14 | 新華社 | 編集: 郭丹

 【新華社東京7月11日】今年前半の主要経済指標は日本経済の減速傾向を示している。専門家は、日本経済が回復基調にあることに変わりはないが、米国の貿易保護主義が直接あるいは間接的に日本を含む世界の産業ネットワークに影響を及ぼすことで、日本経済は今年後半、不確実な外的リスクにさらされるとの見方を示す。

 ▽理想的とは言えない経済指標

 内閣府が発表した修正値によると、今年の第1四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比で0・2%減。年率換算では0・6%減と、約2年ぶりのマイナス成長となった。 日本経済の減速傾向は、主に内需の不振と輸出の伸びの減少が原因で、日本政府のデフレ対策もあまり効果が見られない。総務省の統計によると、今年1~5月の生鮮食料品を除く消費者物価指数(コアCPI)は前期比で下落している。

 貿易面では、アジア市場向けのスマートフォン関連製品の輸出減少などの影響で、今年1~5月の輸出額は前年同期比で増加しているものの、増加率は前年と比較して明らかに縮小している。また、エネルギー価格の上昇を受け、原油や液化天然ガス、石油製品などの輸入額が膨らみ、今年前半の5カ月のうち3カ月で貿易赤字となった。

 理想的とは言えない経済状況は企業の経営見通しにも反映され、日本銀行が2日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、製造業の大企業の業況判断指数は2四半期連続で悪化している。

 ▽景気回復傾向は不変

 今年前半の経済指標は楽観を許さないものではあるが、日本政府と専門家は、日本経済が回復基調にあるという総合的な判断に変わりはないとしている。

 内閣府が6月19日に発表した「月例経済報告」では「景気は、緩やかに回復している」との日本経済の基調判断を据え置き、さらに「雇用・所得環境の改善が続くなかで、賃金水準も緩やかながら向上し、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」としている。

 伊藤忠経済研究所の武田淳チーフエコノミストは、輸出と個人消費の低迷が第1四半期の経済指標を下げた主な要因と言えるが、あくまで短期的な現象にすぎず、第2四半期には緩やかに回復するだろうとの見方を示した。

 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、第1四半期に日本経済がマイナス成長となったことは日本経済が転換点に達したことを示しているのではなく、経済の拡大基調に変化はなく、また、雇用も依然ひっ迫していることから、第2四半期の経済回復とプラス成長は確実との認識を示した。

 三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、米国の貿易保護主義の影響により、一部の大企業の業況判断は悪化しているが、全体的には大企業の設備投資は堅調で、情勢は見た目ほど悪くないとの見解を示した。

 ▽米国が最大の外部リスク

 今年後半の経済見通しについて多くの機関や専門家は、日本経済の回復基調は継続が予想されるが、米政府の貿易保護主義が日本経済にとって最大の外部リスクになると指摘する。 日本総合研究所が6月に発表した「日本経済展望」は、日本経済は今年後半、潜在成長率を上回る成長を続け、2018年度の経済成長率は1・1%になると予測する。

 日本経済の現在の回復基調は、世界経済全体の景気回復によるところが大きいが、米政府では現在、貿易保護主義的措置がエスカレートしており、世界経済と日本経済にマイナスの影響を与える可能性が大きい。 日本総合研究所の試算によれば、トランプ政権が自動車へ25%の追加関税を発動すれば、日本からの輸出額を約8千億円減少させ、部品や材料、輸送などの関連産業への影響も含めれば、減少額は2兆円を超える規模になる。

 また、米国のイラン核合意離脱とイランに対する経済制裁再開により原油価格の上昇が続いている。日本の原油輸入依存度は極めて高く、原油価格が引き続き上昇すれば企業の業績や個人消費に悪影響をもたらし、日本経済の回復を阻む可能性がある。(記者/銭錚、馬曹冉)

 

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新華網日本語

日本経済の回復基調が鈍化 米保護主義が最大のリスクに

新華網日本語 2018-07-11 08:29:14

 【新華社東京7月11日】今年前半の主要経済指標は日本経済の減速傾向を示している。専門家は、日本経済が回復基調にあることに変わりはないが、米国の貿易保護主義が直接あるいは間接的に日本を含む世界の産業ネットワークに影響を及ぼすことで、日本経済は今年後半、不確実な外的リスクにさらされるとの見方を示す。

 ▽理想的とは言えない経済指標

 内閣府が発表した修正値によると、今年の第1四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比で0・2%減。年率換算では0・6%減と、約2年ぶりのマイナス成長となった。 日本経済の減速傾向は、主に内需の不振と輸出の伸びの減少が原因で、日本政府のデフレ対策もあまり効果が見られない。総務省の統計によると、今年1~5月の生鮮食料品を除く消費者物価指数(コアCPI)は前期比で下落している。

 貿易面では、アジア市場向けのスマートフォン関連製品の輸出減少などの影響で、今年1~5月の輸出額は前年同期比で増加しているものの、増加率は前年と比較して明らかに縮小している。また、エネルギー価格の上昇を受け、原油や液化天然ガス、石油製品などの輸入額が膨らみ、今年前半の5カ月のうち3カ月で貿易赤字となった。

 理想的とは言えない経済状況は企業の経営見通しにも反映され、日本銀行が2日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、製造業の大企業の業況判断指数は2四半期連続で悪化している。

 ▽景気回復傾向は不変

 今年前半の経済指標は楽観を許さないものではあるが、日本政府と専門家は、日本経済が回復基調にあるという総合的な判断に変わりはないとしている。

 内閣府が6月19日に発表した「月例経済報告」では「景気は、緩やかに回復している」との日本経済の基調判断を据え置き、さらに「雇用・所得環境の改善が続くなかで、賃金水準も緩やかながら向上し、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」としている。

 伊藤忠経済研究所の武田淳チーフエコノミストは、輸出と個人消費の低迷が第1四半期の経済指標を下げた主な要因と言えるが、あくまで短期的な現象にすぎず、第2四半期には緩やかに回復するだろうとの見方を示した。

 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、第1四半期に日本経済がマイナス成長となったことは日本経済が転換点に達したことを示しているのではなく、経済の拡大基調に変化はなく、また、雇用も依然ひっ迫していることから、第2四半期の経済回復とプラス成長は確実との認識を示した。

 三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、米国の貿易保護主義の影響により、一部の大企業の業況判断は悪化しているが、全体的には大企業の設備投資は堅調で、情勢は見た目ほど悪くないとの見解を示した。

 ▽米国が最大の外部リスク

 今年後半の経済見通しについて多くの機関や専門家は、日本経済の回復基調は継続が予想されるが、米政府の貿易保護主義が日本経済にとって最大の外部リスクになると指摘する。 日本総合研究所が6月に発表した「日本経済展望」は、日本経済は今年後半、潜在成長率を上回る成長を続け、2018年度の経済成長率は1・1%になると予測する。

 日本経済の現在の回復基調は、世界経済全体の景気回復によるところが大きいが、米政府では現在、貿易保護主義的措置がエスカレートしており、世界経済と日本経済にマイナスの影響を与える可能性が大きい。 日本総合研究所の試算によれば、トランプ政権が自動車へ25%の追加関税を発動すれば、日本からの輸出額を約8千億円減少させ、部品や材料、輸送などの関連産業への影響も含めれば、減少額は2兆円を超える規模になる。

 また、米国のイラン核合意離脱とイランに対する経済制裁再開により原油価格の上昇が続いている。日本の原油輸入依存度は極めて高く、原油価格が引き続き上昇すれば企業の業績や個人消費に悪影響をもたらし、日本経済の回復を阻む可能性がある。(記者/銭錚、馬曹冉)

 

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