5月22日、北京市赤十字血液センターで献血を行うルスランさん。(新華社配信/ルスラン提供)
【新華社北京7月6日】26歳のカザフスタン人青年、ルスランさんの血液型は珍しいRhマイナスだ。この血液型を持つ割合は中国の漢族で0・2~0・5%、その希少性から「パンダの血」と呼ばれている。中国に留学しているこれまで9年の間にルスランさんは、全身の血液をすべて交換した量に相当する計5千ミリリットル以上の献血を行い、周りから親しみを込めて「パンダ兄さん」と呼ばれている。
ルスランさんは幼いころから「西遊記」と中国のカンフー映画が好きで、徐々に中国文化に大きな関心を持つようになった。2009年、わずか17歳でルスランさんは好奇心いっぱいで中国海南省に留学した。まず中国語研修クラスで2年間学び、その後は海南大学の本科生で経営学を専攻し、先月まで北京科技大学の修士課程で学んだ。
留学1年目のある日、ルスランさんはキャンパスで多くの学生が1台の医療車両の前に並んでいるのを偶然見かけ、無償献血をしているのだと知り、ためらうことなく自分もその列に加わることに決めた。それからルスランさんは半年に1回献血をするようになった。
「中国の法律では、前回の献血から6カ月以上空けないと献血ができないと定めているが、その時は中国語ができなかったので医師の説明が分からず、毎月献血に行っては毎回遠回しに断られていた」とルスランさんは笑う。「僕の母親は小さい時から喜んで人助けをし、人のためになる良いことをするよう教えてくれたし、僕も愛に国境はなく、どの国、どの民族の人でも助けると自分の心が慰められる」と話す。
2013年9月7日、習近平国家主席はカザフスタンのナザルバエフ大学で講演した際、ルスランさんの無償献血の行いを高く称賛した。
ルスランさんは、テレビの生中継を見ていて自身の名前が呼ばれ、頭の中が突然真っ白になり信じられなかったという。「僕はずっと献血は小さな事に過ぎないと思っており、中国の国家主席から注目されるとは思いもよらなかった」と話した。
2015年、ルスランさんは北京で「希少血液型愛の家」と「希少血液型連盟」の2つの公益組織に加入した。2つの組織は両方「パンダの血」を持つボランティアにより構成されており、全国どこかで「パンダの血」の重体患者が出た場合、その情報がこの2つの組織の微信(WeChat)グループに送られ、患者との距離が近いボランティアが助けの手を差し伸べる仕組みになっている。(記者/馬岩)
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