【新華社北京7月9日】中国科学院はこのほど、北京市懐柔科学城で「第2期空間科学」戦略的先導科学技術特別プロジェクトの開始を発表した。宇宙と生命の起源・進化、太陽系と人類の関係という二大最先端科学に照準を合わせ、時間領域天文学、太陽磁場と爆発の関係、太陽風と磁気圏の相互作用の法則、重力波高エネルギー電磁波対応天体などの分野で衛星の研究開発を進める。
同プロジェクトは中国にとって過去最大規模の科学衛星計画で、中国で初めて重大な基礎科学の発見を主な目標とする衛星計画でもある。第1期では、暗黒物質(ダークマター)粒子探査衛星「悟空」、人工衛星「実践10号」、量子科学実験衛星「墨子号」、硬X線変調望遠鏡衛星「慧眼」など、重大な科学成果と社会的影響を次々と手にした。
第2期の衛星プロジェクトでは、アインシュタインプローブ衛星(EP)による軟X線波長域での宇宙空間の高感度リアルタイム動態監視や、ブラックホールのフレアの発見や探索、重力波源からのX線信号の探査、宇宙におけるX線突発天体の発見などの科学的成果が期待される。中国初の太陽観測衛星である先進的宇宙太陽天文台(ASO-S)は、太陽磁場や太陽フレア、コロナ質量放出の構成や相互関係を明らかにする。
この他、中国と欧州の科学者によって開発された太陽風と磁気層の相互作用全景撮影衛星(SMILE)は、人類の太陽に関する活動と地球の磁場変化の相互関係に対する理解を促進する。重力波高エネルギー電磁波対応天体モニタリング機(GECAM)は重力波研究にとってチャンスとなるプロジェクトを打ち出し、衛星と地上の重力波検出器の共同観測により、重力波に伴うガンマ線バーストや新たな放射現象を総合的に発見できるようにする。
第2期プロジェクトの責任者を務める中国科学院国家空間科学センターの王赤主任は、プロジェクトには中国国内の優秀な科学者とプロジェクトチームが集結したと表明。広大な宇宙における未知の神秘を引き続き探索し、中国独自のイノベーションと国際協力によって科学的な重大成果を手にし、関連技術分野の飛躍的な発展を促すと述べた。
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