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米国の対中貿易戦争、世界は支持せず 中国は自由貿易守る
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-07-09 10:41:51 | 新華社 | 編集: 郭丹

 【新華社北京7月9日】米国は6日、340億ドル(1ドル=約110円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す措置を発動した。 中国商務部の報道官は「米国は世界貿易機関(WTO)ルールに反し、経済史上で最大規模の貿易戦争を仕掛けた」と語った。

 専門家や経済界は、米国の中国に対する攻撃が、実際には全世界に対する攻撃であり、米国の企業と国民の利益も深刻な損害を被ると表明している。中国は萎縮することなく、世界各国と共に自由貿易と多国間体制を守り、改革開放の道のりを揺るぎなく歩んでいく。

 ▽米国の貿易覇権主義に断固応戦

 米国が340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課す措置を発動したのと時を同じくして、中国は6日午後0時1分、米国の一部輸入製品への追加関税措置を発動した。

 中国商務部の報道官は「お返しをしないという事は失礼にあたる。中国が最初に発砲することはないが、国家の核心的利益や人民の利益を守るため、やむを得ず必要な反撃をせざるを得ない」と語った。

 「やむを得ず」「せざるを得ない」「必要」といった表現の背後には、中国はこれまで貿易戦争を望んだことはないが、国家と人民の利益が損なわれる時には断固として応戦するという重要なシグナルが見て取れる。

 米国は今年に入り、幾度も貿易保護主義という棍棒を振り回し中国に圧力をかけ、両国の経済貿易は摩擦を高め続けた。

 専門家は、相互に依存し合う現在のグルーバル経済において、米国は公然と一国主義と保護主義の棍棒を振り回し、一、二度ならず三度も中国に対し経済貿易摩擦を引き起こしたと語り、これこそ典型的な貿易覇権主義だと指摘する。

 対外経済貿易大学・中国世界貿易組織研究院の屠新泉院長は「貿易覇権主義は根本的に『強権すなわち正義』という覇権ロジックに基づいている」と語る。屠氏によると、米国がその経済と金融覇権を頼りに国際社会が共に受け入れる多国間貿易のルールを否定することは、国際法と国際秩序を自分勝手に破壊する行為であり、世界の貿易システムやグローバル・バリューチェーンに被害を与え、米国及び世界経済にとっても「百害あって一利なし」だという。

 専門家らは、表面的には米国は貿易の不公平を理由に貿易赤字の削減を望んでいるように見えるが、実際には中国の発展の歩みを全面的に阻止しようという企みであり、米国が世界の覇権と技術先進国としての地位を維持するためのものだと考える。

 ▽米国の追加関税は自国企業の利益をも損なう

 グローバル経済の時代に世界1位の経済大国が史上最大規模の貿易戦争を強硬に発動した。世界経済に及ぼす影響は間違いなく巨大なものとなる。世界の株式市場でこのところ見られる株価の大きな変動は、世界各国が中国と米国の貿易戦争に注目していることを顕著に示している。

 中国国内で米国との貿易に関わる多くの企業責任者らは、今回の米国の追加関税が中国経済に与える影響は限定的だと語る。山東歌爾(Goertek)の吉永副総裁は「一時的な影響は避けられないが、技術革新や代替市場の模索により米国市場への依存を次第に減らすことができる」と述べた。同社では市場での米国の一人勝ち局面を変えるため、4年前に方針転換を行い、顧客をアップルやグーグルなどの米国企業から華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)など国内企業に広げてきたことを明らかにした。同社の製品はイヤホン、マイクからスマートウェアラブルデバイス、VRヘッドマウントディスプレイ、ロボットなどの分野へと広がり、海外市場も欧米から東南アジアの新興市場へと拡大、方針転換の効果は明らかに現れているという。

 専門家らはまた、貿易戦争が激化すれば世界の多角的貿易体制に大きな影響をもたらし、世界の産業チェーンやバリューチェンに波及するだろうと指摘する。

 中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕所長は、世界経済の発展にさまざまな不確定要素が含まれる中、貿易戦争は世界経済の成長や金融市場全体に大きな影響を及ぼし、米国企業の利益も損なうことになるだろうと語った。

 ▽自分がやるべき事をしっかりやる

 中国は改革開放の深化を確固として継続 道理にかなえば支持者が多くなり、背けば支持者は減る。貿易覇権主義は間違いなく世界の人心を失う。中国に要求されるのは、グローバル貿易を開放し、世界経済の発展を推進させるというやるべき事をしっかり行うことである。

 中国商務部の報道官は「我々は世界貿易機関に速やかに報告を行い、世界各国と歩みを共にし、自由貿易と多国間体制を守っていく。また、中国は確固として改革を深化させ、開放を拡大し、企業家精神や財産権の保護を強化、中国に進出する世界各国の企業により良い経営環境を作り上げていくことを再度強調しておく。われわれは関係企業が受けた影響の評価を続け、必要な措置を講じ企業を救済するよう努める」と語った。

 中国金融40人フォーラムの哈継銘高級研究員は「米国の今回の一方的な措置は、世界の貿易システムを尊重せず踏みにじる行為に等しい」と語り、中国は世界の自由貿易と多国間体制を擁護し、他の国々と手を携えこのシステムを守り続けるべきだとの考えを示した。

 中国の不動産大手、恒大集団の首席経済学者・任沢平氏は、中米貿易戦争での中国の最も望ましい対応は、より強い決意とより大きな勇気で新たな改革開放を断固推し進め、製造業とサービス業の開放、特に高齢者介護や医療、教育、金融などの分野での開放を引き続き拡大させることだと述べた。

 中国国際経済交流センター首席研究員の張燕生氏は、改革開放を全面的に深化させ、経済を真に質の高い発展へと推進することがリスク対策の最良の方法との考えを示し「危機の中にはチャンスがある。企業は衝突の中でチャンスを掴めるようにならなければならない。貿易戦争を質の高い発展と現代化経済システムの構築の推進や、主要な矛盾を解決する重大な転機へと転化させる必要がある」と述べた。

 

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 専門家や経済界は、米国の中国に対する攻撃が、実際には全世界に対する攻撃であり、米国の企業と国民の利益も深刻な損害を被ると表明している。中国は萎縮することなく、世界各国と共に自由貿易と多国間体制を守り、改革開放の道のりを揺るぎなく歩んでいく。

 ▽米国の貿易覇権主義に断固応戦

 米国が340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課す措置を発動したのと時を同じくして、中国は6日午後0時1分、米国の一部輸入製品への追加関税措置を発動した。

 中国商務部の報道官は「お返しをしないという事は失礼にあたる。中国が最初に発砲することはないが、国家の核心的利益や人民の利益を守るため、やむを得ず必要な反撃をせざるを得ない」と語った。

 「やむを得ず」「せざるを得ない」「必要」といった表現の背後には、中国はこれまで貿易戦争を望んだことはないが、国家と人民の利益が損なわれる時には断固として応戦するという重要なシグナルが見て取れる。

 米国は今年に入り、幾度も貿易保護主義という棍棒を振り回し中国に圧力をかけ、両国の経済貿易は摩擦を高め続けた。

 専門家は、相互に依存し合う現在のグルーバル経済において、米国は公然と一国主義と保護主義の棍棒を振り回し、一、二度ならず三度も中国に対し経済貿易摩擦を引き起こしたと語り、これこそ典型的な貿易覇権主義だと指摘する。

 対外経済貿易大学・中国世界貿易組織研究院の屠新泉院長は「貿易覇権主義は根本的に『強権すなわち正義』という覇権ロジックに基づいている」と語る。屠氏によると、米国がその経済と金融覇権を頼りに国際社会が共に受け入れる多国間貿易のルールを否定することは、国際法と国際秩序を自分勝手に破壊する行為であり、世界の貿易システムやグローバル・バリューチェーンに被害を与え、米国及び世界経済にとっても「百害あって一利なし」だという。

 専門家らは、表面的には米国は貿易の不公平を理由に貿易赤字の削減を望んでいるように見えるが、実際には中国の発展の歩みを全面的に阻止しようという企みであり、米国が世界の覇権と技術先進国としての地位を維持するためのものだと考える。

 ▽米国の追加関税は自国企業の利益をも損なう

 グローバル経済の時代に世界1位の経済大国が史上最大規模の貿易戦争を強硬に発動した。世界経済に及ぼす影響は間違いなく巨大なものとなる。世界の株式市場でこのところ見られる株価の大きな変動は、世界各国が中国と米国の貿易戦争に注目していることを顕著に示している。

 中国国内で米国との貿易に関わる多くの企業責任者らは、今回の米国の追加関税が中国経済に与える影響は限定的だと語る。山東歌爾(Goertek)の吉永副総裁は「一時的な影響は避けられないが、技術革新や代替市場の模索により米国市場への依存を次第に減らすことができる」と述べた。同社では市場での米国の一人勝ち局面を変えるため、4年前に方針転換を行い、顧客をアップルやグーグルなどの米国企業から華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)など国内企業に広げてきたことを明らかにした。同社の製品はイヤホン、マイクからスマートウェアラブルデバイス、VRヘッドマウントディスプレイ、ロボットなどの分野へと広がり、海外市場も欧米から東南アジアの新興市場へと拡大、方針転換の効果は明らかに現れているという。

 専門家らはまた、貿易戦争が激化すれば世界の多角的貿易体制に大きな影響をもたらし、世界の産業チェーンやバリューチェンに波及するだろうと指摘する。

 中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕所長は、世界経済の発展にさまざまな不確定要素が含まれる中、貿易戦争は世界経済の成長や金融市場全体に大きな影響を及ぼし、米国企業の利益も損なうことになるだろうと語った。

 ▽自分がやるべき事をしっかりやる

 中国は改革開放の深化を確固として継続 道理にかなえば支持者が多くなり、背けば支持者は減る。貿易覇権主義は間違いなく世界の人心を失う。中国に要求されるのは、グローバル貿易を開放し、世界経済の発展を推進させるというやるべき事をしっかり行うことである。

 中国商務部の報道官は「我々は世界貿易機関に速やかに報告を行い、世界各国と歩みを共にし、自由貿易と多国間体制を守っていく。また、中国は確固として改革を深化させ、開放を拡大し、企業家精神や財産権の保護を強化、中国に進出する世界各国の企業により良い経営環境を作り上げていくことを再度強調しておく。われわれは関係企業が受けた影響の評価を続け、必要な措置を講じ企業を救済するよう努める」と語った。

 中国金融40人フォーラムの哈継銘高級研究員は「米国の今回の一方的な措置は、世界の貿易システムを尊重せず踏みにじる行為に等しい」と語り、中国は世界の自由貿易と多国間体制を擁護し、他の国々と手を携えこのシステムを守り続けるべきだとの考えを示した。

 中国の不動産大手、恒大集団の首席経済学者・任沢平氏は、中米貿易戦争での中国の最も望ましい対応は、より強い決意とより大きな勇気で新たな改革開放を断固推し進め、製造業とサービス業の開放、特に高齢者介護や医療、教育、金融などの分野での開放を引き続き拡大させることだと述べた。

 中国国際経済交流センター首席研究員の張燕生氏は、改革開放を全面的に深化させ、経済を真に質の高い発展へと推進することがリスク対策の最良の方法との考えを示し「危機の中にはチャンスがある。企業は衝突の中でチャンスを掴めるようにならなければならない。貿易戦争を質の高い発展と現代化経済システムの構築の推進や、主要な矛盾を解決する重大な転機へと転化させる必要がある」と述べた。

 

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