【新華社杭州3月21日】中国浙江省東陽市林業局はこのほど、市内の東江源省級自然保護区が正式に設立されたと明らかにした。また、同保護区では中国特有の第3紀(約6600万年前から258万年前)遺存種である野生のナツロウバイの新たな群生地が見つかったという。
遺存種とは「生きた化石」とも呼ばれ、地質や気候の変化でそのほとんどが死滅し、ごく限られた範囲にしか存在しなくなった生物を指し、イチョウやメタセコイア、チュウゴクイチイなどが該当する。これらの植物は古代の先祖の原始的な形状をとどめており、かつ近縁種の多くがすでに絶滅している。
同省森林資源モニタリングセンター湿地・野生動植物資源モニタリング事務所の陳鋒氏によると、ナツロウバイの天然分布の面積は狭く、同省北西部の臨安区と東部の天台県のごく狭い地域に分布し、臨安種群、天台種群の2つに分類される。後になって、安徽省績渓県と浙江省安吉県でも相次いで発見されたが、いずれも臨安種群に属するという。
陳鋒氏は「今回発見された野生のナツロウバイは、国内2大分類のひとつ『天台種群』の重要な一部。ナツロウバイの遺伝的多様性を保全し、向上させるうえで重要な意義がある」と語った。
東江源省級自然保護区は、同市東陽江鎮の八達渓流域にある。2017年に同モニタリングセンター動植物チームが、保護区とその周辺区域の植生・維管束植物・脊椎動物に対する実地調査を行った。半年以上に及ぶ実地調査を経て、保護区内に国家重点保護野生動物18種、国家重点保護野生植物9種が生息していることが確認されている。(記者/許舜達)
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