中国最大の金融経済情報ベンダーのWindの統計によると、2016年に中国企業が発表した海外M&A(買収合併)の案件は年間合計で91件、総額1600億元(人民元換算で統一)を上回った。2015年は124件、924億元だった。
発表された2016年の海外M&Aについて、M&A案件の件数自体は前年比で37%減少しているものの、金額ベースでは大幅に増加した。金額が大きい案件では、伝統的産業が占める比率が比較的高い。M&Aの目的という点から見ると、産業チェーンの弱い部分の補強を狙ったものが多いようだ。
「積極的な対外直接投資戦略の実施、グローバルな産業チェーンとバリュー チェーン、イノベーション チェーン、サプライチェーンの構築は、経済の新常態の下で中国国内の発展の難局を乗り切るために切実に必要とされている。それはまた、中国がより主体的に経済のグローバル化に参画し、世界経済ガバナンスの主導権と発言権を握るとともに、経済グローバル化の利益と長期的戦略を共有するためにも必要だ」。中国国際経済交流センター情報部副部長を務める王暁紅教授は、北京の京都弁護士事務所が主催する海外M&A政策の展望とM&Aモデル分析に関するシンポジウムの席上で「クロスボーダーM&Aはすでに、世界のハイレベルな経営資源の獲得に向けた重要手段となっている」と説明した。
王暁紅教授は、中国企業が海外M&Aを行う主因として、技術開発力(73%)、ブランド(58%)、国内事業との整理統合 相互補完(42%)、部品調達ルートの確保(27%)が挙げられると指摘。M&A実施後は、96%の企業の海外売上高と市場シェアが拡大、89%の企業が欧米で研究開発センターを設立、51%の企業が国内の研究開発水準と国際的知名度の向上を実現したとしている。
(チャイナネット)
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