アリババグループ、テンセント、滴滴出行、京東商城などのネット企業が東南アジアに目を向け、巨額の投資を行い、この新興市場で事業を拡張しようとしている。ウォール ストリート ジャーナルが28日に伝えた。
東南アジア人の所得とスマホ保有率が近年上昇しており、2020年までに東南アジアの経済規模上位6カ国(インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム)のスマホユーザー総数は米国を上回る2億5700万人に達する見通しだ。これは現地で事業を開拓しようとする多くの中国企業を集めている。データによると、東南アジアは中国の2016年の対外技術系企業M&Aの3番目の目的地になっており、取引規模は前年比1億9300万ドル増の19億ドルに達している。うちアリババとテンセントは10億ドルを超える。ピア ツー ピア(P2P)で売買を行えるショッピーというアプリを発表し、EC市場に進出した。同アプリは決済、チャット、配送サービスなどを網羅する。
アリババは今年4月ラザダ グループを10億ドルで買収し、東南アジア6大主要市場に進出。同社はラザダが所有する物流網も使う。ラザダはアリババから、ユニリーバやマテルなどが商品販売を行うページを開設した。
中国2位のEC業者の京東も昨年、インドネシアのネット通販市場に進出しており、周辺諸国に進出しようとしている。劉強東CEOは「インドネシアは5年前の中国のようで、EC業界がまだ成熟していない。しかし人口が多く、ネットユーザー数が急増している。現地のEC業者トコペディアが強く、外国企業は利益を犠牲にしても利用客を集めざるを得ない場合もある」と述べた。
またEC業界の成長により、中国ネット企業大手も東南アジアでの市場シェア争奪に積極的に乗り出している。アリババはタイのデジタル決算企業であるアセンド マネーにも投資。アセンドはバンコクやチェンマイを訪れる中国人観光客が、アリペイを使えるようにサポートする。テンセントも事業提携を求めており、マレーシアとインドネシアでのオンライン決済事業を広めようとしている。滴滴出行はシンガポールを拠点とする配車アプリ「グラブ」に投資し、モバイル決済の戦場に間接的に参入した。
しかし東南アジアに進出するすべての企業が順調に業績を伸ばしているわけでもない。日本の楽天は競争に勝てず、東南アジアのオンラインストアの閉鎖を宣言した。一部の国では緊迫した政治情勢、中国製品への先入観があり、中国企業の直面する問題となっている。
(チャイナネット)
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