この10年間にわたり、中国の映画が大きな発展を取った。2015年、中国映画業界の興行収入は前年比49%増の440億元(人民元)突破した。2016年上半の興行収入は250億元に達し、驚かせるほどの成長で、観衆人数もアメリカを上回り、中国はすでに世界一の映画市場となった。そして数多くの世界レベルの素晴らしい映画も見せてくれるのだ。次に3本の素晴らしい映画をみなさんに紹介する。
(一)絶賛の芸術映画 ——『路傍のピクニック』(Kaili Blues)
資料写真
2015ロカルノ国際映画祭最優秀新監督賞、及び2015台湾金馬奨最優秀新監督賞を獲得し、「過去五年一番優れた中国国産映画」「中国映画を五十年進歩させる」と絶賛された。監督の毕赣(ビー·ガン)氏は29才で、『路傍のピクニック』は【毕赣】氏の監督した最初の長編映画だ。2万元で起動し、この映画を完成するため、毕赣氏は周りの人から金を借り、総投資は100万元未満だったそうだ。それでも、何億元のスター映画より芸術の光が輝いている。
『路傍のピクニック』の物語は簡単だが、時間と空間の交錯で表現されている。主人公の陳昇は昔、仇討ちのため、9年の監獄生活を送った。その間、母と妻が相次ぎ亡くなった。釈放された陳昇はふるさとの凯里(カイリー)に戻り、小学生の甥を救うため、再び隣の町へ向かった。途中で、荡麦(ダンマイ)というところに泊っていた。荡麦は過去・現在・将来が混ぜているところだった。そこで、陳昇は大人になった甥と亡くなった妻に出会った。
ここまで述べると筆者が文字の無力感が痛感した。毕赣氏は映画の所々に前後関連の些細なものを差し入れ、撮影は現実とメタファーの間に往復している。毕赣氏はすでに「物語を述べる」という段階を越えて、直接に映画言語で迷いや記憶や貴州現地の夢を描いている。
映画の中で一番注目されたのは42分の長回しである。撮影技法の上達と画面をコントロールする能力を天才的に表した。42分の長回しは過去・現在・将来の三重の迷宮を貫いた。(作者/于壮) >>詳細
(二)「万丈光芒」の『万箭穿心』(日本語タイトル:『風水』)
(写真はネットより)
第25回東京国際映画祭で話題となり、中国一流の実力作家・方方の原作小説、「女神」によって改編、作った映画は、顔丙燕(イエン・ビンイエン)が主演、中国の庶民生活を「新写実主義」で描かれている。一体どのような物語だろうか。
映画は20世紀90年代、中国において一番市井の雰囲気が一番色濃い都市の武漢を背景にする。主人公の李宝莉(リ・ボーリ)が武漢生まれの女性、あまり教育を受けておらず、小売店でバイトをしている。彼女の夫は農村部出身の大学生で、そして国営工場のリーダーを務めている。二人で1人の息子を育てている。李宝莉が武漢生まれの身分を自慢しながらも、大学生の夫を尊敬し心から愛している。物語はこの家族が新築の高層マンションに引っ越ししたのから始まった。
生活が著しく改善されたが、新しいアパートは混雑だった街角に向かうので、友人から「風水(fengshui)で言えば万箭穿心(千万本の矢が心に刺さる)の形で、将来の生活を妨げる」と注意を与えられた。しかし、李宝莉がかなり気が強い女性で、「自分の生活は自分で握る」と信じ、これは「万箭穿心」ではなく、「万丈光芒」(万丈の光が輝いている)だよと言った。
その後、やっぱり友人の言ったように、この家族の矛盾が明らかになり、摩擦がどんどん増えていった。憂鬱な夫が部下の女性と浮気していた。夫の浮気のことに気づいた李宝莉がとても悲しんで怒り、公衆電話で売春している人がいると警察に報告した。その結果、夫が役員に左遷され、自殺してしまった。
働き手を失った李宝莉が一人で重い生活を担うことを覚悟した。息子を大学へ進学させるのにお金が必要。李宝莉が担ぎ屋になってお金を稼ぐ。十年の後、李宝莉が長い間の肉体労働でかなり老いてしまった。幸い、息子が名門大学に合格。しかし、父親の自殺の真相を知った息子はずっと李宝莉を恨んで、突然絶縁宣言を出した。最後に李宝莉が黙ってこの家を去っていった。(作者/于壮)
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(三)アニメ映画「大鱼海棠(英訳:Big Fish&Chinese Flowering Crabapple)」
2015年7月に中国大陸で上映し、九億人民元の興行収入を収めた他、アメリカ、シンガポール、日本などの外国にも輸出した大ヒットアニメ映画「西游记之大圣归来(和訳:西遊記 ヒーロー・イズ・バック)」に引き続き、2016年7月に上映する「大鱼海棠(英訳:Big Fish&Chinese Flowering Crabapple)」というアニメ映画は、中国伝統文化を背景に、繊細な画面と中国人の伝統審美に合ったキャラクターデザインで、中国アニメ界の待望の大作と呼ばれ、人々の関心を集めている。
「大鱼海棠」は、神界の建物に住んでいる「椿」という女の子と人間界で知り合った人間の男の子「鲲」の間の物語である。2004年にプロモーションビデオが出された後、フランスで開かれた「アジア五十年アニメ優秀作(亚洲50年优秀动漫)」の展覧に入選し、早くも国内のアニメファンの関心を引き寄せた。2013年、製作資金の不足で「大鱼海棠」の製作側はソーシャルファンディングを社会範囲で呼びかけ、当時、158万元の最終募金で中国史上一番多く集めたアニメ映画の募金になった。その後、製作組は制作に専念して、いよいよ、2016年、上映に迫る。
中国のアニメ産業は、80・90年代に一連の優秀作を出した以来、現在に至っては、優秀作は数少なく、アニメと言えば子供向けの作品しか思い浮かばない。しかしながら、ほぼ同じ時期に、隣国の日本は、アニメという分野で、世界に注目されるような成果を取った。その事実に動かされて、近年、中国もアニメ産業の更なる進歩を求めている。(作者/向沁)
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