日本政府がこのほど内閣官房のホームページで釣魚島の領有問題に関する「歴史資料」を公開したことについて、中国社会科学院日本研究所の高洪所長代理は11日、資料公開を「安倍政府が3月から実施した新安保法と歩調を合わせた動き」とし、「日本政府が海洋権益争議を一層加速させる戦略的意図を示している」と指摘しました。
報道によりますと、日本政府は今年4月中旬、内閣官房のホームページ上で、釣魚島と竹島(韓国名:独島)が日本の「固有領土」であることを示した750点の資料を公開したということです。これは去年に続いて2回目の公開となります。このことに対し、高所長代理は11日、記者のインタビューに答え、日本政府が公開した所謂「新たな歴史資料」は「歴史的事実と大きく食い違っており、部分的な内容を意図的に取捨し、自分にとって好都合なものだけを取り上げたものであり、根拠とするに足りない」としました。
さらに「地図の問題を例にすれば、世界的に見ても、古今東西を問わず、中国と諸外国が制作した地図の中で釣魚島が中国に属している証拠はたくさんある。日本で釣魚島が初めて記載された文献、つまり林子平が書いた1785年の『三国通覧図説』の中でも、釣魚島と琉球の36の島は違う色で塗り分けられていた。これはいずれも、歴史的な証拠にしても、地図として示された証拠にしても、釣魚島が中国に属することを十分に裏付けている」と述べました。
近年になって、日本政府は研究者や記者、右翼団体などを通じて、八方手を尽くして、中国大陸と台湾のあらゆる地図と文献を探し出し、「中国が釣魚島が日本に属することを認めていた」証拠を作ろうとしています。これについて、高所長代理は、日本政府が資料を公開したタイミングから見れば、「安倍内閣が3月から実施した新安保法と歩調を合わせた動きであり、海洋権益争議を一層加速させる戦略的意図を示すものだ」と指摘しました。
さらに「これらの所謂'新たな歴史資料'は、まもなく開かれる予定のG7サミットで「中国による海洋拡張」の概念を再提起するための布石であり、所謂「中国の海洋拡張」概念を広めることで、自らの海洋争奪行為を隠そうとするものだ。これは、安倍内閣の対中政策でよく用いる二枚舌的策略の現れだ」としています。
高所長代理はまた、「我々は、ポジティブかつアクティブに対応しなければならない。歴史的証拠の整合性を整え、国際法的根拠を検証し、専門家や学者たちの研究成果を活用していかなくてはならない。また、様々な形で、日本を含む国際社会に、我々の主張と立場を説明し、誤った情報には反駁して行かなくてはならない。同時に、意図的にトラブルを引き起こし、海洋の拡張を行い、果ては中国への抑制・包囲・威嚇などを目的とする行為に対し、我々は戦略的落ち着きを保つとともに、国家の海洋権益を守るための断固たる行動を起こしていくべきであろう」と語りました。
(中国国際放送局)
関連記事: