天宮1号からバトンタッチする天宮2号の総組立が完了し、打ち上げに向け各システムの調整が急ピッチで進められている。天宮2号は、今年第3四半期に打ち上げを予定。1号も2号も宇宙実験室であるが、後者はより正式な真の宇宙実験室であり、中国で最も忙しい宇宙実験室になる見通しだ。計画中の実験は過去最多の14件に達し、微小重力基礎物理、宇宙材料科学、宇宙生命科学といった多分野に跨る。うち2件は30日間にわたって滞在する宇宙飛行士が直接参与し、1件は国際協力プロジェクト。これらのプロジェクトの多くが、世界最先端の試みとなる。人民日報海外版が伝えた。
天宮2号は世界初の冷原子時計を宇宙に運び、実験を実施する。宇宙の微小重力条件を利用することで、この時計の誤差は160億年で1秒となる。宇宙機の時報の精度を2桁改善し、北斗衛星測位システムの精度を最大限に高めることができる。
また、宇宙からの量子暗号の実験を行う。量子暗号は「無条件で安全」な量子通信を実現する重要なステップだ。量子は微視的物理学の世界から、切っても切り離せない基本的な個体だ。情報の担い手である単一光子を切り離せず、量子状態をコピー出来ないといった特徴により、量子暗号はすべての形式による盗聴を避け、暗号化された内容の解読を不可能にする。この通信方法は、原理的には「無条件で安全」と言える。
全長2000キロ以上の量子通信ネットワーク「京滬幹線」は、下半期の完成を予定している。世界初の量子科学実験衛星が、7月に打ち上げられる。これによって、宇宙 地球が一体化した量子通信ネットワークが初歩的に形成される。その過程において、天宮2号は量子衛星の中継を担う。長距離量子通信の実験により、地上の都市と宇宙間の「無条件で」安全な情報伝送を実現する。
天宮2号はイネとシロイヌナズナを使い、植物の「種から種」に至る全課程の栽培実験を行う。中国科学院とスイスのジュネーブ大学が共同開発したガンマ線バースト観測機器を搭載し、宇宙のガンマ線バーストと散乱の状態を測量することで、宇宙の構造 起源 進化などの問題を明らかにする。
(人民網日本語版)
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