今週出版された英科学誌「ネイチャー」に掲載された、英国人コンサルタントのロジャー・マッキンリー氏の署名記事は、ナビゲーションへの依存に警鐘を鳴らした。マッキンリー氏は、ナビに依存することで生まれつき持つ方向感覚が鈍り、ナビが使えなくなった時にどうすべきか分からなくなり、脆弱性を露呈するという問題点を指摘した。科技日報が伝えた。
マッキンリー氏は、人類が持つ方向感覚は用いれば鋭くなり、用いなければ弱まると指摘した。人間は脳と視力により、自分が置かれている位置を感じやすくなる。盲目的にナビの指示に従うか、特徴のない空間内を移動すれば、道に迷いやすい。例えばドライブシミュレーターでナビに従い運転中のドライバーは、地図を使用するドライバーと比べ、自分がどこにいるか分からなくなりやすいという。
ナビには現在、2つの問題がある。まず、大多数のナビはGPSを用いており、屋内で使用できない。電波が遮られ、干渉された場合、ナビは効果を失い、間違った情報を表示する可能性もある。次に、ナビは巨大かつ高額なインフラが必要で、これらの設備がなければ信頼性が下がる。重力場で測位する次世代方位センサーも、ミスは避けられない。マッキンリー氏は、「政府が数十億ドルを地上インフラに投じ、ナビゲーションシステムをサポートしていることは否定できない。ただしこれらの制限を取り払わなければ、移動がよりスマートになることはない」と指摘した。
またマッキンリー氏は、人間は生まれつき持つ測位能力を活用すべきだとし、ナビと地図の使い方を基本的な生活技能として生徒に教育するよう学校に呼びかけた。
(人民網日本語版)
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