【新華社北京7月4日】このところ米経済に出現した上向きのトレンドについて、貿易パートナーとの対抗においてアドバンテージが大きく増したとの見方が出ている。事実は果たして本当にどうなのだろうか。
米国内では、減税や貿易改革などの要素が米経済を成長させたと認識されており、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先日、第2四半期の米GDP成長率の見通しを3・9%に引き上げた。経済成長が貿易戦争発動にとってプラスの要素になると見るならば、その考え方は楽観すぎるとのそしりを免れない。なぜなら、この種のいわゆるアドバンテージは実際そこまで盤石なものではないからだ。
米国の一方的な自信満々ぶりに対して、一部の専門機関や専門家の予測はさほど楽観的なものではなく、米国の政策やその経済への刺激作用に対して大いに懸念を示している。国際通貨基金(IMF)の報告は、米国が昨年実施した減税による経済効果が2019年、2020年に減衰し、米経済の成長ペースも大幅に鈍化するとしている。一部の経済専門家は米経済の繁栄についてすでに「終わりが迫っている」とし、米国最大のリスクは依然として経済成長鈍化にあり、米連邦準備理事会(FRB)による過度の通貨引き締め政策がこのリスクを激化させ得ると見ている。
米経済の周期性も、その経済発展に多くの不確定要素をもたらしている。全米経済研究所(NBER)のデータによると、米経済の成長トレンドが2019年第3四半期まで続けば、米国の公式記録上最長の景気サイクルになるという。現在の景気サイクルが歴史的な突破を実現するかどうかはまだ未知数だ。
このほか、上向きの経済トレンドが貿易戦争によって押し流される可能性も高く、この点について米国は生きた歴史の教材に事欠かない。1930年、米国は「スムート・ホーリー法」を施行して2万種類あまりの輸入製品に高額の関税をかけたことで大きな代償を払うことになり、20世紀30年代の大恐慌をさらに悪化させた。つまり、貿易戦争を発動すれば、熱を帯び始めた米経済は再び冷め、しかもその付けを米国民が支払うことになり得るのだ。
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