【新華社北京7月2日】米国最大のくぎメーカーであるミッドコンチネントネイル社の広報担当者はこのほど、米政府が鋼材輸入に対する高関税の免除を同社に認めない限り、9月のレイバー・デー(労働者の日:9月の第1月曜)前に生産停止に追い込まれる可能性があると発言した。
同社広報担当のジェームス・グラスマン氏は米CNNに対して、会社が「消える瀬戸際に立たされている」と語った。
グラスマン氏によれば、米政府が輸入鋼材に対して25%の追加関税を課した影響を受け、鋼材価格が上昇し、中西部ミズーリ州ポプラー・ブラフの工場では先日、500人の従業員のうち60人を解雇せざるを得なくなったという。また、コスト上昇に伴う製品価格の上昇で、くぎの受注も50%減少したとのことだ。
グラスマン氏は、同社が工場をメキシコに移転する可能性があるとした。メキシコでは輸入鋼材に関税はなく、くぎ製品として米国に輸出すれば、原材料にのみ課されている25%の輸入関税を払わずに済むからだ。
ワシントン・ポストは6月25日、6月15日に失業したポプラー・ブラフ工場の従業員を、米トランプ大統領による貿易戦争の「最初の犠牲者」と報道した。失業した従業員の大部分が、2016年の大統領選挙でトランプ氏に投票していたためだ。
同社の販売担当バイス・プレジデント、ジョージ・スカリッチ氏は、高関税がミズーリ州にダメージを与えていることをトランプ氏に伝えたいと語るとともに、6月15日に解雇した従業員は契約労働者だったが、近い将来には正規労働者も対象にしなければならない可能性があるとした。
CNNは、同社を含む米国企業約2万1000社がこれまで、米商務部に対して関税の免除を申請していると報じた。米金融情報機関のムーディーズ・アナリティックスの試算によれば、トランプ政権による高関税により、来年夏までに米国内で70万人が解雇される可能性があるという。 ワシントン・ポストは、ミッドコンチネントネイル社の一件が、多くの企業によるリストラの前触れとなるなら、トランプ氏は貿易政策を変える可能性があると推測している。
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