【新華社東京3月17日】中国証券監督管理委員会(証監会)はこのほど、バイオテクノロジー、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、ハイエンド製造の4分野におけるユニコーン企業(評価価値10億ドル以上の非上場ベンチャー企業)の国内上場について、スピーディーな上場審査の道を開くことを明らかにした。通常の上場審査期間とは異なり、2〜3か月間で審査手続きの完了が可能になるため、中国の「ユニコーン」企業が大手ハイテク企業へ進化するために大きな後押しとなる。
▽優秀ハイテク企業から利益を得ていない中国投資家
中国で上場するには、企業の設立年数と利益に要件が設定されいる。しかし、ほとんどのハイテク企業は早期の投資と拡張のため利益を確保しづらく、この点で国内上場の要件を満たすことが困難だった。このため、電子商取引(EC)最大手のアリババ集団、インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)、ネット通販大手の京東(JDドットコム)などはアメリカでの上場を選んだ。
時価総額が数百億ドル、数千億ドルのこれらのハイテク企業の業務のほとんどは中国で行われており、中国の人々の生活に密接し、上場後も高い収益を得ているが、中国の投資家はこれらのハイテク株から利益を得るのが難しい状態だ。
従って、中国のハイテク企業が国内株式市場に戻ることを中国の人々は待ち望んでいる。
▽上場審査の短縮は「双創」への継続的支援
李克強総理が2014年に「双創」(大衆による起業、民衆によるイノベーション)を提案すると、中国のベンチャー投資は2015年にピークを迎えたが、2016年には投資が冷え込み、ベンチャー企業の数も減少した。しかし、中国は依然として起業環境が最も良い国の一つである。
もし、中国のベンチャー企業に国内上場する機会がもたらされるなら、投資家にとっては資金回収方法が増えるため、より大きな投資モチベーションとなるだろう。
証監会の新たな措置により、4業界におけるユニコーン企業は、今後の融資ではより多くの資金的支援を受け、有するハイテクの商品化も促進されることが予想される。
▽これらの主要分野は中国のハイテク企業のチャンス
中国の膨大なインターネットユーザーは、クラウドコンピューティングサービスの急速な発展を促した。たとえば、昨年の「ダブル11」(11月11日、中国のネット通販イベント)に、アリババ集団傘下の天猫(Tmall)の取引高は1682億元に上り、前年の1207億元という記録を更新した。この世界を驚かせた数字は、中国の旺盛な消費意欲とクラウドコンピューティング能力を表わしている。
新興のAI技術について、中国は音声認識、画像認識、顔認識の面で世界の先頭に立っている。人工知能の発展はアルゴリズム、計算能力、データ量に依存する。中国には膨大なインターネットデータと動画データがあり、積極的な促進政策もあるため、人工知能の特定の分野においてはアメリカよりも大きな優位勢を有する。
また、長い間、中国製造業はイノベーション不足、品質不十分と言われてきたため、ハイエンド製造には常に高い期待があった。一方、中国の製造業は長年にわたり、巨大な人口ボーナスを持っていたが、徐々に高齢化社会に入っており、人件費も急速に上昇している。こうした状況を受けてで、中国の製造業は今、ハイエンド化に向けた変革を急いでいる。
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