【新華社ワシントン3月12日】中日両国の研究者からなる共同研究チームはこのほど、シンプルな構造で、製造・貯蓄が容易な新型トポロジカル超伝導体は、トポロジカル量子計算の実現を促進し、量子コンピューターが直面する主な課題である「デコヒーレンス」問題を解決することが期待されると発表した。
超伝導量子コンピューターは、発展が最も速い量子コンピューター方式で、現在広く存在している「デコヒーレンス」問題が、拡張可能な量子計算を実現する大きな障害となっている。「デコヒーレンス」とは量子系の干渉の消失のことで、量子計算のミスを発生させる。
米「サイエンス」誌の新刊に掲載された論文によると、研究者は鉄・テルル・セレンなどからなる結晶材料にトポロジカルな超伝導状態が存在することを初めて実験的に証明し、そのスピン構造と超伝導ギャップを確認した。
同論文の責任著者である東京大学の張鵬・博士研究員によると、この結晶材料に磁場をかけると、マヨラナフェルミオンという粒子が発生する。マヨラナフェルミオンのトポロジカル安定性を利用し、「デコヒーレンス」問題を効果的に解決できるという。
中国科学院物理学研究所の丁洪教授と東京大学の辛埴教授が同プロジェクトを共同監督した。
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