【新華社北京12月24日】元・梅蘭芳京劇団副団長で現・北京京劇院芸術委員会顧問の葉金援さんはこのほど、弟子とともに北京の小学校で児童たちに京劇の魅力を紹介。70歳を超えた葉金援さんは、京劇の名家に生まれ、8歳から京劇を習い始め、第6回中国演劇梅花賞と梅蘭芳金賞のダブル受賞を果たしている。故・梅葆玖さんと共に16年間舞台に立ち、中国京劇の伝承と海外での宣伝に尽力してきた。単独インタビューでは、京劇の伝承と保護について聞いた。
ー北京の小学校でこのほど7、8歳の児童に京劇の魅力について語ったが、このような活動をしている理由は。
「7、8歳頃は、京劇を習うのに最も適した年齢。私も本格的に習い始めたのは8歳からだ。祖父の葉春善が富連成・京劇科班(京劇俳優養成所)を立ち上げたこともあり、小さいころから京劇に触れる機会も多く、京劇を好きになった。その幼少期の経験から、京劇の伝承には、まず子供たちに興味を持ってもらうこと、特に子供たちの養成や薫陶が重要と強く感じた。そのため、時間をつくっては小学校で京劇について語り、京劇の校内イベントを支援している」
ー葉さんの子供時代と比べ、京劇の伝承方法に変化は。
「京劇の伝承方法といえば、今と昔で共通する所もあれば、異なる所もある。昔は『口伝心授』(口頭の教えを心で受け止めること)と舞台でたゆまぬ実践をすることが重視されていた」
「昔の京劇科班は俳優を目指す学生たちが更に造詣を深め、水準を高めるための専門学校。先生は1対1で指導し『口伝心授』を行った。学生は真剣に学び、1つの芝居を習得してはそれを演じる、実践で絶えず成長していく。駆け出しから人気が出るまで、観客がずっと見ていた。俳優も演技の基礎がしっかりしており、無名のころからファンがいた」
「だが現在は伝統演劇の学習に演劇専門学校がよく選ばれる。理論や知識に長けているが、実践経験が乏しい。『口伝心授』とたゆまぬ実践、この伝統的な京劇科班における伝承の経験を現代の演劇指導に取り入れるべきかもしれない」
ー京劇の伝承と発展をどう見ているか。
「京劇をどう伝承、発展、革新させるにしても『京』の字を失ってはならない。継承されなければ革新はありえない。伝承のための前提条件は確かな技能。自身が完全に把握していないのに人に教え『代々伝わるごとにあやふやになる』ことは避けなければならない。そして、伝承させるには『平々凡々』でなければならないと考えている。どの流派も危なげない堅実な基礎の上でそれぞれの条件に基づいて成り立っている。決して奇抜な考えや好き勝手な改ざんによって成り立っているものではない。また、発展は継承によってもたらされるため、京劇の今後の発展に着目すると同時に、伝統京劇の曲目の発掘と保護も重視し、失われつつあるこれらの文化遺産を救い、できるだけ多くの優れた曲目を後世に伝えるべきだ」
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