バルセロナMWCのZTEの展示エリアで、新たに発表されたスマホを体験する来場者。
先ごろバルセロナで閉幕した世界最大規模の携帯通信関連見本市「モバイル ワールド コングレス2017」(MWC2017)には100以上の国と地域の2000社を超える企業が出展し、来場者数は10万人近くに達した。展示された各種新製品を見ると、中国企業が第5世代移動通信システム(5G)で新たな進展を実現し、世界をけん引していることが分かる。
ファーウエイが今回展示した「P10」は、4.5Gネットワークをサポートする世界初のスマホで、その通信速度(下り)は一般的な4Gスマホの2倍に達し、電波も届きやすい。ZTEが発表した「世界初の画期的なコンセプトモデル」の「Gigabit Phone」の通信速度は、下り最大1Gbpsに達する。これは5G時代が到来する前に、「準5G」を体験できることを意味する。
ZTEの張建国 上級副総裁は「2G、3G、4G時代に、中国企業は先頭集団を追い越そうとしてきた。今や5G技術において、中国企業の地位と能力は強化され続けている。中国政府も5G技術の開発と推進を重視している。昨年から始められた関連成果の試験により、中国の5G技術の研究開発は世界水準に並び、一部では世界水準を上回っていることが明らかになっている。中国企業が世界通信産業の従事者を率い、共に5G標準を制定することを願う」と話した。
モバイル通信業界はその他の業界と比べ、基準と産業発展が密接に関わり合う特徴をもつ。基準制定の発言権を手にすれば、必然的に産業の発展をリードできる。そのため5G分野の基準を巡る争いは、技術と市場の選択、さらには国益をめぐる駆け引きに左右されることとなる。
国際電気通信連合が発表した5Gスケジュール表によると、5G技術案の募集と基準の制定は、2020年までに完了する。各国の比較的整った技術 基準案は、2018年6月30日までに提出される。ファーウェイが中心となり推奨する「Polar Code」案が昨年、5G基準に入選し、中国企業が基礎通信枠組み協定に初進出した。業界関係者は、ファーウェイは「Polar Code」で5G時代の発展の基礎を築いており、重大な意義を持つと判断した。
中国は5G技術の発展促進における野心を明らかにしており、2016年には5Gを「メイド イン チャイナ2025」、「第13次五カ年計画綱要」、「第13次五カ年計画国家情報化計画」に盛り込んだ。また中国工業 情報化部(省)は先ごろ、中国が北京市懐柔区で世界最大の5G試験場を建設したと発表した。国内外の業界リーディングカンパニーが試験ネットワークに加わり、エンドツーエンドの試験環境を提供。これは5G標準の形成と産業発展の促進におけるサポートとなる。中国工業 情報化部チーフエンジニアの張峰氏はこのほど「中国は2016年上半期に5G技術の研究開発と実験を全面的に開始し、現在すでに第2段階に入っている。中国は2020年に、5Gの実用化を開始する見通しだ」と表明した。
(人民網日本語版)
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