国家情報センターと中国インターネット協会は2月28日、中国のシェアリングエコノミーに関する報告書、『中国分享経済発展報告2017』を共同で発表した。
モノやサービスを個人間で貸し借りするシェアリングエコノミー(共有経済)は近年、中国で急速に拡大している。報告書によると、2016年の中国シェアリングエコノミー市場の取引額は前年比103%増の3兆4520億元と、市場規模が倍増した。
国家情報センター情報化研究部の于鳳霞処長は、2016年の同市場の全体的な成長過程について、「シェアリングエコノミーの拡大は、中国経済の新成長エンジンやイノベーション、雇用を創出する上で大きな影響を及ぼす」と指摘。新常態下での中国経済のモデル転換を進めるカギとなるとの見方を示した。
具体的にみると、シェアリングエコノミーは、生活 サービス、生産能力、交通 移動、知識 技能、住宅 宿泊、医療などの分野に集中しており、これらの分野の取引額は計前年比96%増の1兆3660億元に達した。取引額順にみると、1位は生活 サービスで7233億元、2位は生産能力で3380億元、3位は交通 移動で2038億元。成長率順にみると、1位は知識 技能で205%、2位は住宅 宿泊で131%、3位は医療で121%だった。
中国国内でハウスシェアリングや民泊の仲介サイトを手がける「小猪短租」の陳馳(ケルビン チェン)最高経営責任者(CEO)は、「スマホアプリによる配車サービスに続いて、ハウスシェアリングにも春が訪れた」と意気込む。
国の政策支援を追い風に市場は成熟しつつあり、「小猪短租」や同業のエアビーアンドビー(Airbnb)を始めとする、個人間でモノやサービスを取引するC2Cモデルが市場で主流となっている。
同報告書は、中国のシェアリングエコノミー市場の今後の見通しについて、◇向こう数年にわたって年平均40%程度の高い伸びを維持する、◇2020年までに市場規模は国内総生産(GDP)の10%以上を占める、◇向こう10年以内に大手のプラットフォーム型企業が5~10社程度出現する――と予測している。
(チャイナネット)
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