もともとは普通の日だった11月11日が、店側の戦略によって「全国民ショッピングデー」となった。「爆買い」という行動は、一体どのような衝動から起こるものなのだろう?人々がこれほどにも買い物にのめり込む理由は何なのだろう?科技日報が伝えた。
○快感がもたらされる
ブランド物の洋服、腕時計、ノートパソコン、携帯などを最初に手に入れた時に感じる喜びを、覚えているだろうか?物を買うことは快感であり、快楽をもたらす行動だ。
重要なのは「何を買うか」ということではなく、「買う」というプロセスなのだ。物を買うことは、我々に資源面での満足感をもたらす。つまり、「私は物を買うことができる、所有することができる、自分を満足させることができる」ということの証明となる。このように資源を得て満足するという行為は生物学的にみると、我々の大脳にある快楽中枢を刺激して、人に快楽や喜びをもたらす神経伝達物質「ドーパミン」の分泌を促し、我々はそれによって快感を得る。この種の快楽は、食べ物・セックス・精神刺激物質(アルコール、煙草、麻薬など)によってもたらされる快感と同様、報酬回路によって得られる。
○「焦燥感」を和らげる効果
買い物は、飲食・観劇・ゲームなどと同じで、自分の注意を他にそらすことで、自分が抱いている焦りの気持ちを和らげ、解消するという効果がある。焦燥感を生理的メカニズムから見ると、焦燥感から人は衝動的行為に駆り立てられ、その行為が実際に行われると、焦燥感は適切に緩和される。多くの女性にとって、買い物という行為は、焦燥感を素早く抑えるための有効な方法となっている。気分がすぐれない時、スマホでオンラインショップにアクセスすれば、いつでもどこでも買い物で憂さ晴らしをすることができる。
また、買い物という行為は焦燥感を和らげるだけではなく、仕事のストレス、抑圧した怒り、言葉にできない空虚感などを緩和する働きもある。
○小さい頃に満足感を得られなかったことが原因か
買い物によってマイナスの感情を和らげることが、一時的かつ局所的な対処法であるとすれば、買い物によって自尊心を得るという行為は、子供時代における早期的・安定的・性格面での深い部分からもたらされる要求と言えるかもしれない。
着道楽、鞄道楽、携帯中毒などはいずれも、物質面であれ感情面であれ、十分な満足感を得ることができなかった子供時代を過ごした人に見られる特徴だ。このような欠乏感から、所有していない物を手に入れようとする執念が生まれ、大人になってから、さまざまな方法でその気持ちを満足させようとする。心理学的に見れば、これらの人が買っているのは「モノ」ではない。彼らの所有物はすでに彼らの一部となっており、物質的な「モノ」を所有して初めて、彼らは自分に自信を持ち、自分に価値があると感じ、愛される資格があると思うようになる。(著者:国家二級心理カウンセラー 楊剣蘭)
(人民網日本語版)
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