新華網東京5月19日(記者/許縁)日本政府が18日に公表した今年第1四半期の国内総生産(GDP)のデータを見ると、日本経済に再び復興の兆しが現れたように見える。だが、細かく観察すると、長期的に日本経済の成長を阻害してきたデフレーションは依然として存在すると同時に、企業の経済への自信欠如によって、投資意欲が減退したことが容易にわかる。これらの問題点が解決されなければ、日本経済の復興の見通しは尚、厳しい試練に満ちていると予想される。
消費データ回復の背後にある奇妙な道理
日本の内閣府が発表したデータによると、今年1月から3月までに日本の実質GDPは前期比で0.4%増加し、年率換算で1.7%増だった。昨年第4四半期のGDPが前期比で0.4%減少した後、今年第1四半期の増加によって、日本経済は再び技術的な衰退に陥るのを免れた。
具体的に見ると、第1四半期に日本の内需は急増し、GDP成長率への寄与度は0.2ポイントだった。このうち、GDPに占める割合が60%と高い個人消費は前月比で0.5%増となり、前四半期の前月比0.8%減と比べて大幅に回復した。一見すると、日本政府が頭を痛めてきた個人消費不振は大きく改善されたが、それは本当に事実なのだろうか。
内閣府データから、当四半期の実質個人消費は前月比でやや増加したが、名目個人消費は逆に前月比0.1%減で、2四半期連続で前月比より落ち込んだことがわかった。この状況から、四半期ごとの日本の物価の伸びは小さく、デフレの勢いに変化はないことが把握できる。
企業に投資意欲が足りない長年の痛み
物価上昇率が小さいほか、当四半期の企業投資データも日本政府に失望させた。日本政府は企業投資を経済成長促進のカギを握るエンジンの一つと捉えている。安倍内閣は企業投資を奨励するため、法人税率を引き下げる計画を策定した。法人税率は現在の32.11%から30%以下に下方修正される見通しだ。
第1四半期の経済データを見ると、日本企業は法人税率の引き下げのために投資を拡大することはない。当四半期の実質企業投資は前期比で1.4%も減たが、昨年第3四半期は前期比0.7%増で、第4四半期は前期比1.2%増だった。
四半期ごとの日本企業の投資減少には円高の要因があるが、企業が日本経済の安定成長に自信を欠けることが主な原因と見られる。
日本の中央銀行が各四半期に発表する短期経済観測調査によると、今年3月に日本の大手製造業の景況感指数は昨年12月と比べて大幅に半数低下した。このほかにも、3月はサービス業を含む日本の大手非製造業の景況感指数も一年半ぶりに初めて落ちた。今回の調査で、日本の全業界の大手企業が2016年度に資本的支出を0.9%削減する方針を示したことからも将来の経済動向への否定的な見方が顕著に表われている。
(新華社より)
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