国務院弁公庁はこのほど、「衆創空間(ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム)の発展加速による、実体経済のモデルチェンジ・アップグレードへの貢献に関する指導意見」を発表し、革新に向けた既存の政策ツールを十分に活用すると共に、既存の政策の潜在力を発掘し、政策の実施を強め、衆創空間の発展を支援する政策体系を構築する方針を明らかにした。京華時報が伝えた。
同意見では5つの重点任務が提起された。具体的内容は以下の通り。
○電子情報、バイオテクノロジー、近代農業、ハイエンド装備製造、新エネルギー、新材料、省エネ・環境保護、医薬・衛生、文化クリエイティブ、現代サービス業――の10大産業分野で衆創空間の建設を加速する。
○大手基幹企業が主力業務の方向性と市場メカニズムに基づき、その他の創業主体と協力・提携し合い、大手基幹企業を中心とし、大学・研究機関が積極的に参与し、中小零細企業の成長と発展をけん引する産業革新生態コミュニティを形成することを奨励する。
○研究機関や大学が、それぞれ強みを持つ専門分野において、科学技術者を中心とし、研究成果の転化を主な内容とする衆創空間を建設し、科学技術型革新・創業に向けた専門サービスを提供するよう奨励する。
○国家自主革新モデル区や国家ハイテク産業開発区などで国家級革新プラットフォームを建設する。重点区域に革新・創業資源が集まっている強みを生かし、科学技術企業インキュベーター、アクセラレーター、産業パークなどと共に革新・創業生態系を形成する。
○大手基幹企業、大学、研究機関と国外の先進的なインキュベーターが協力し、衆創空間発展の国際化レベルを引き上げるよう奨励する。
同意見はまた、財政・資金面の支援、税政策の優遇、金融手段の革新などの方面から衆創空間の発展を支援するとした。
・各種エンジェル投資、ベンチャーキャピタルなどを衆創空間と組み合わせ、投融資モデルを改善するよう奨励する。
・エンジェル投資、ベンチャーキャピタルファンドが衆創空間と双創(イノベーションと起業)基地内で業務を行うよう奨励する。
・衆創空間で発生する研究開発費、企業と大学・研究機関が衆創空間に委託して行う研究開発および、零細企業が実施する研究開発(あるいは受託した研究開発)で発生する費用のうち、規定の条件に合致するものは、研究開発費の税引前追加控除を受けることができる。
・軍用・民間用標準の共通化を進め、民間用分野の知的財産権の国防・軍隊建設分野での運用を推進する。軍事技術の民間用への移転における二次開発費のうち、関連の規定条件に合致するものは、研究開発費の追加控除を受けることができる。
(人民網日本語版)
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