【新華社北京8月16日】中国各地の今年上半期の経済データが出揃い、多くの見どころを示した。域内総生産(GDP)成長が速い省の多くは長江経済ベルトに集中し、成長率トップ10に7省がランクインした。また東北地方の経済は回復を続け、京津冀(北京市・天津市・河北省)地域の協同発展でも顕著な成果が見られた。上海証券報が伝えた。
▽GDP急成長の省は長江経済ベルトに集中
各地方の経済データの中では、長江経済ベルトの好調が目立った。長江沿いの11省・直轄市のうち、10省・直轄市のGDP成長率は全国平均の6・8%を上回った。
うち貴州省、雲南省、江西省、安徽省、四川省、湖北省、湖南省は7・8%以上で、成長率トップ10にランクインした。
貴州省の経済成長率は中国トップの10%で、2桁増を維持する唯一の省となった。
貴州省社会科学院地域経済研究所の黄勇研究員は「貴州省の経済成長率は、長江経済ベルトのその他の省の協同発展と切り離すことができない」と語る。貴州は産業発展、生態系保全、人材導入で、長江経済ベルトにあるその他の省・直轄市と緊密な関係を保っているという。
黄研究員の分析によると、貴州は、観光や醸酒などの産業の発展で、上流の重慶市や四川省と協同発展し、集積効果を形成している。人材導入では、中流の湖北省や湖南省から多くの人材を誘致した。投資導入では、下流の浙江省や江蘇省の資金を引き付けている。
長江経済ベルト沿線省の多くは中西部の省が占める。データを見ると、多くの省の経済成長は依然として投資のけん引に頼っている。例えば、上半期の固定資産投資の伸びは、雲南省が11%、貴州省が17・4%で、それぞれ全国平均の6%を大きく上回った。
黄研究員によると、西部地域はインフラ、教育、医療などが立ち遅れており、関連投資の需要は大きい。そのため投資は今後も高成長を続けるとみられる。とりわけ中央政治局会議でインフラ分野の弱みを補うという指針が確立されたことが呼び水となり、西部のインフラ投資がさらに加速する見込みがあるという。
▽東北地方の経済は安定回復
東北地方はここ数年、中国で経済成長が最も遅い地方となってきた。特に遼寧省はマイナス成長に陥ったこともある。だがこうした状況には今年、変化が生じている。
今年上半期、東北地方のGDP成長率は4・7%で、前年同期と今年第1四半期(1~3月)と比べ0・3ポイント加速し、回復傾向を維持した。そのうち遼寧省は5・6%、吉林省は2・5%、黒竜江省は5・5%だった。
中国商務部研究院国際市場研究所の白明副所長は「このところ東北振興政策が相次いで実施され、一連の好材料が重なっており、東北地方は急速な成長、質の高い成長を迎えるだろう」と期待を示した。
細かいデータを見ると、東北地方3省の経済動向がそれぞれ見どころを持っていることがわかる。例えば遼寧省では製造業投資が31・2%、民間投資が13・5%増えた。黒竜江省では輸出入の伸びが31・1%に達し、全国平均を23・2ポイント上回り、特に対ロ輸出は62・2%増えた。
▽京津冀協同発展の効果が出現
地域経済の重要な成長の柱となる京津冀地域の協同発展は、その効果を表しつつある。
上半期、京津冀地域のGDPは合計で4兆元(1元=約16円)を超え、中国のGDPの約10分の1を占めた。
データによると、3地方の協同発展は着々と進んでいる。上半期、北京市と河北省の企業による天津への投資は、天津市の実行ベースの国内資本利用額の45・6%を占め、この割合は第1四半期より4・4ポイント拡大した。北京市、河北省の企業の天津税関での通関時間は3日短縮され、北京市と河北省からの貨物の割合は3割に拡大した。河北省の実施する重点プロジェクト「質・効果向上年」では、京津冀協同発展プロジェクトが161件と4割近くに上った。
また京津冀地域の産業構造も高度化している。例えば、北京市のニューエコノミーの付加価値は上半期、前年同期比15・2%増の4707億2千万元に達し、市GDPに占める割合は3分の1前後を維持した。河北省のサービス業付加価値が省GDPに占める割合は45・1%と前年から2・4ポイント拡大し、経済成長への寄与度は70・2%と8・4ポイント拡大した。
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