【新華社北京8月16日】14日付けの中国紙「経済参考報」は「住民社会保険、年次の集中見直し時期に入る」と題する記事を掲載した。記事によると7月に労働者賃金の改定が相次いだことを受け、住民社会保険も年次の集中見直し作業に入ったという。同紙の記者が各地の社会保障部門に問い合わせたところでは、河南省や広東省、内モンゴル自治区はすでに2018年の基礎年金引き上げプランを確定しており、地方政府の政策が集中的に実施される6月と7月には、北京や吉林、山西、上海、江蘇など28の省や直轄市で基礎年金引き上げプランが確定された。
専門家は、今年に入って社会保険分野の改革が高頻度かつ強力に行われたこともあり、社会保険の集中的な見直しは、市民の収入に新たな変化をもたらすとの見方を示す。下半期には▽各省の年金資金の収支バランスを中央政府が調整する制度の実施▽住宅担保年金保険の全面的な実施▽都市部・農村部居住者の基本的医療保険資金収集の健全化及び清算の比例調整メカニズムの確立▽6番目の社会保険となる長期介護保険制度の全国での実施などの社会保険分野の改革により、さらに多くの恩恵が期待できるという。
年金支給額の引き上げに加え、多くの地域では▽従業員医療保険政策▽失業保険金基準▽労働災害保険給付基準▽出産保険給付の4つの保険に対する調整も行われた。また、将来の住宅購入や修繕のために公務員や企業の従業員の給与から一定の割合で差し引かれる住宅積立金も7月に集中的に見直され、政治や経済において重要な位置づけにある一線都市のうち、北京、深圳、広州各市の納付基数の上限がそれぞれ2万5401元(1元=約16円)、2万5044元、2万4654元に引き上げられた。
下半期の社会保険改革は他にも多くの恩恵が期待できる。中国社会科学院世界社保研究センターの張盈華執行研究員は「年金分野では、各省内での基金の統一的な管理を進めたうえで、中央政府による調整制度を効果的に実施することが重要」と語った。
医療保険については、国務院が中央と地方における医療・衛生分野の財政権限と支出責任の区分改革プランを発表しており、中央財政と地方財政が規定に従い都市・農村住民基本医療保険の補助金を支給する。安定かつ持続可能な保険料徴収と医療費負担率の調整メカニズムを健全化させることに重点を置き、政府と個人の分担比率を合理的に決定していく。
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