【新華社雪竜号８月１３日】中国第９次北極科学調査隊は北京時間１１日、北緯７９度１３・５分、西経１６８度５０分の北極海海域に短期海氷ステーションを設置し、今回の調査活動で初となる海氷ステーション関連作業を実施した。
２９人の科学調査隊員は１１日午前６時ごろ、極地科学調査船「雪竜」号に搭載された「黄河」艇に乗って作業エリアに到着した。今回の短期海氷ステーションは多学科による合同作業で、隊員は約６時間以内に海氷マスバランスブイ（ｉｃｅ ｍａｓｓ ｂａｌａｎｃｅ ｂｕｏｙ）の設置や、氷床コアの採集、水温計測用のサーミスタチェーン付きブイの設置、光学観測、生物・化学氷雪サンプル採集など、多くの科学調査作業を無事実施した。
計画に基づき、今回の科学調査では短期海氷ステーション７カ所と長期海氷ステーション１カ所を設置する。調査隊の首席科学者補佐で中国極地研究センター研究者の雷瑞波氏は「海氷ステーション関連作業の期間中、調査隊員は海氷の溶解過程における大気や海氷、海洋表層の複数の成分パラメータを総合的に観測する。また、北極の海氷の急速な変化とそのメカニズムの研究のための整った科学データを取得し、同時に海氷下の生態プロセスの動態変化に関する化学や生物などの学科調査と業務化観測も実施する」と語った。
中国自然資源部が組織する第９次北極科学調査隊は７月２０日、「雪竜」号で上海を出発し、２カ月余りに及ぶ科学調査を開始した。今回の科学調査の航行距離は８月１１日までに、累計５３７０カイリ（１カイリ＝約１・８５キロ）に達している。
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