【新華社北京7月29日】第10回BRICS首脳会議は25~27日、南アフリカのヨハネスブルクで開催された。国際社会は会議の成果に高い関心を寄せ、今回の会議がBRICS諸国による技術革新や工業化に向けた協力強化の新たな一歩であることを意味し、多国間主義の擁護や保護主義への反対で明確なシグナルを発信したとの認識を示した。また、会議の成果は、BRICS協力が第2の「黄金の10年」でさらなる発展を実現し、世界経済の成長促進とグローバルガバナンスの整備を進める上で重要かつ前向きな役割を果たすとの見方を示す。
今回の会議のテーマは「アフリカにおけるBRICS:第4次産業革命での包摂的な成長と共同繁栄を共に図る」。会議では「BRICS首脳ヨハネスブルク宣言」が採択され、BRICS新産業革命パートナーシップの始動を決定、経済・貿易・金融と政治・安全保障、人的・文化的交流などの分野で協力を深化させる方針を示した。
カナダのトロント大学BRICS研究チームの責任者、アリッサ・ワン氏は、今回の会議が素晴らしい成果を収めたと述べ、BRICS新産業革命パートナーシップの構築は、BRICSが第4次産業革命のもたらすチャンスをつかみ、手堅い一歩を踏み出したことを意味するとの認識を示した。
南アフリカ国際問題研究所(SAIIA)のシリル・プリンスルー研究員は「BRICS首脳ヨハネスブルグ宣言」がBRICSのWTO(世界貿易機関)に対する立場を改めて表明するもので、多角的貿易体制を強化する決意を示すものとの見方を示し、「グローバルな貿易体制を脅かす保護主義と真っ向から向き合うというBRICSの覚悟を意味」すると述べた。
シンガポール・南洋理工大学の兼任講師、胡逸山氏は、世界経済は現在低迷が続き、自由貿易体制が脅威にさらされていると指摘。今回のBRICS首脳会議は世界経済の振興と自由貿易の擁護のためによい模範を示したと語った。
ドイツのデュークブルク・エッセン大学、東アジア研究所(IN-EAST)のネレ・ネッセルト教授は、今回のBRICS首脳会議が新興経済体の利益への関心に留まらず、世界のほかの国々の利益をも強調していると指摘。グローバルガバナンスシステムに問題が生じた時、BRICSがそれを改善する新しい理念や措置を提案することは、グローバルガバナンスシステムの改革にとって建設的な役割を果たすことになるとの見方を示した。
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