【新華社北京7月29日】石炭産業は年初来、全体としての利益には好転が見られるが、各社の業績は明暗が分かれた。赤字率は3割近くなり、負債比率が高いという問題もある。レバレッジ解消の道のりはまだ長い。下半期は「中央企業石炭資源高度化・統合特別基金」が発足するほか、地方も関連計画を打ち出しており、合併・再編の新しい動きが始まっている。経済参考報が伝えた。
▽業績に明暗が分かれる 赤字率3割近く
中国石炭工業協会の王顕政会長は「全国石炭市場の需給はほぼバランスが取れているが、過剰生産の傾向に変わりはない」と指摘する。全国の一定規模以上(年商2千万元以上)の石炭企業の原炭生産量は今年上半期、前年同期比3・9%増の17億トン、石炭の純輸入は12・6%増の1億4400万トン。全国の石炭消費は大まかな推計で3・1%増の約18億9千万トンで、生産と需要はほぼ釣り合った。だが生産能力を見ると、現在、全国の炭鉱は年産40億トン前後、建設中・増改築中の炭坑は年産約11億トン(すでに3億トン分が完成)、輸入は2億5千万トン前後で、全国の年間40億トン前後の石炭消費量をはるかに上回っている。
中国国家統計局のデータによると、上半期の石炭採掘・洗鉱・選鉱業の工業増加値(付加価値)は前年同期比2・8%増加。1~5月の一定規模以上の石炭企業の営業収入は4・5%増の9635億元、利益総額は14・8%増の1278億8千万元といずれも上昇した。
王会長によると、石炭企業の利益の多くは上位20社に集中し、多くの企業の利幅は低い。一部企業は依然として赤字経営に苦しみ、黒字化しても難局から脱け出せない企業が多い。
国家統計局のデータによると、今年1~5月、一定規模以上の石炭企業4462社のうち、赤字企業は1176社と約26・4%を占め、前年同期から28社増え、赤字額は5・3%拡大した。
▽石炭合併・再編にもう一波
中国国家発展改革委員会は年初、12の部や委員会(省庁に相当)と共同で、「石炭企業の合併・再編と転換・高度化のさらなる推進に関する意見」を発表。▽合併・再編を通じて、石炭企業の平均規模を大幅に拡大▽川上・川下産業の融合度を顕著に向上▽2020年末までに高い国際競争力を備えた年産1億トン級の超大型石炭企業グループを全国にいくつか形成▽複数の近代的石炭企業グループを育成ーと要求した。
中国国新、誠通集団、中煤集団、神華集団が出資設立した、中央企業の石炭資産管理を手掛ける国源煤炭資産管理有限公司は2016年7月に始動。中煤集団が中心となって石炭資源の統合を進め、2年間で、国投集団や中国鉄路工程集団、保利集団の石炭関連事業・資産の移管を相次いで終えた。消息筋は「その他の企業の石炭関連資産についても折衝中で、意思疎通と協議が進められている」と語る。
中央企業グループのレベルでの統合も進んでいる。神華集団と国電集団は2017年合併・再編を通じて国家能源集団を設立。すでに本部機構の統合が終わった。
このほど開かれた中央企業と地方国有資産監督管理委員会の責任者によるテレビ会議では、下半期、石炭分野の中央企業の戦略的再編を着実に進め、国家戦略に合った重点産業や鍵となる分野、有力企業へと国有資本をさらに集中させるとの方針が打ち出された。強い本業をもつ企業を中心に、新エネルギー車、北斗測位システム関連産業、インダストリアル・インターネットなどの共同発展の場をつくり、石炭などの資源の統合を継続し、石炭埠頭などの専業化と統合を進める。
下半期はさらに、過剰生産解消の取り組みの強化も注目される。「中央企業石炭資源高度化・統合特別基金」の設立や、市場化・専門化された再編・統合方式の模索によって、石炭資源の統合を着々と進め、過剰生産能力1265万トンの解消と石炭生産能力8千万トンの統合という年間目標の達成を確保する。
石炭・発電一体化企業の石炭事業・資産が今後の再編・統合の重点になることは間違いない。複数の石炭産出省の石炭・発電一体化中央企業の資産を調べた業界関係者は、寧夏回族自治区や内モンゴル自治区、陝西省などの一部地域は統合の条件を備えていると指摘している。
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