【新華社北京7月27日】人民元の対ドル為替レート基準値は13カ月ぶりに1ドル=6・8人民元を割り込んだ。25日付の中国外貨取引センターデータによると、人民元の対ドル為替レート基準値は1ドル=6・804人民元で、前営業日より149ベーシスポイント(bp)低下、2017年6月28日以来の最低となった。市場観測を反映する直物為替レートは基準値大幅低下の影響を顕著に受けたわけではなく、当日に1ドル=6・7784人民元で、前営業日より316ベーシスポイント上昇した。経済参考報が伝えた。
ドル指数の強気の継続が人民元為替レート低下の主因であることは疑いない。現在、人民元安の原因に関する議論は下火になり、今後の人民元の動きについての議論が多くなっている。多くの機関は「ドル指数が上昇していくとしても、その幅が限られ、人民元が大幅に低下する可能性は低い」との認識で一致した。
中信証券のアナリスト、明明氏は「ドル指数が上昇していくとすれば、中米両国の金利差が一段と縮小する可能性も重なり、人民元にかかる圧力は依然としてある。しかし、中期的には、ドル指数は天井に当たっているかもしれない。しかも、中国経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が強靭(きょうじん)であることは為替レートを強力に支える。従って、人民元が大幅に下落していく基礎はなく、上がったり下がったりし、双方向で変動する動きが続く」との見解を示した。
UBS(中国)のチーフエコノミスト、汪濤氏は「ユーロや他の通貨に対するドルの為替レートが比較的安定すれば、人民元が大幅に下落していく可能性は低い。しかも、中央銀行は多様な方式で、人民元為替レートの相対的安定を維持する」との認識を示した。
中金公司は新しい研究報告書で、「中央銀行は短期的に市場との意思疎通や基準値調節などの方式で、為替観測を安定させることができる。中長期的には、経済と観測を安定化させてはじめて、人民元為替レートを安定化させることができる。人民元為替レートと資本流動を左右する最も根本的な要素は中国投資収益率に関する予想だ。また、人民元為替レートと国内資本市場の連動も最近、顕著だ」と指摘した。
同報告書はまた、「今のところ、中国経済成長や企業収益、資産の質に関する投資家の観測を安定させることは中長期的に人民元為替レート観測を安定させるのに最も効果のある政策だ。従って、より早く、より有力で、より調和の取れた政策見直しが、為替レート観測を安定させる上で有利になる」とした。
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