【新華社武漢6月22日】中国湖北省武漢市の五芳齋は、ちまきや湯円(タンユェン、中国風団子)、月餅などを製造する老舗の食品メーカー。100年近い歴史を持つ。同社はここ数年、大手インターネットショッピングモールの天猫(Tmall)や京東商城(JD.com)などに次々と出店し、ネットの力を取り込む経営へと大きく舵を切った。
天猫のデータによると、五芳齋の天猫旗艦店は今年の端午節(たんごせつ。中国の休日の一つで、旧暦の5月5日にあたる)の期間中、売上が前年同期の約1・7倍となり、売上ピーク日には前年の2倍、ちまきだけで1億元(1元=約17円)以上を売り上げた。また、老舗レストランの知味観や杏花楼のちまきの売上も前年の2倍以上に達した。
中国の多くの老舗企業はここ数年、ECサイトの力を借りて若い購買者を獲得している。
2016年末時点の統計によると、全国の老舗企業1128社の10%が、イノベーションの遅れや伝統技術の不十分な継承などにより発展が困難な状況に置かれている。ECサイトへ進出し市場ニーズに合わせて生まれ変わることは、時代に追いつくための重要な選択肢となる。
中国商務部など16部門は、昨年発表した「老舗企業の改革、革新発展の推進に関する指導意見」の中で、老舗企業の実店舗とインターネットを融合させた発展を支援し「老舗+インターネット」プロジェクトを実施する方針を明確に示している。
業界関係者は、ブランドの優位性と技術継承力を持つ老舗企業が活力を取り戻すには、人々の生活スタイルや価値観、流行・トレンドと結びつかなければならないとの認識を示す。老舗企業が現在、次々と自発的にECに出店し、「インターネットでの購買、実店舗での体験」というECの業態に溶け込むことは、それらの店舗の流行性や利便性を高め、再び若者の注目を集めることにつながるのだという。
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