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「端午節の麹造り」伝統製法で守られる匠の心 貴州茅台
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-06-21 11:10:03 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社貴陽6月21日】「裸足でないと水分と小麦の砕け具合がわからないし、麹(こうじ)の塊の柔らかさや締まり具合も把握できない。麹は、中はふわっとして、表面がなめらかなものが合格だと言える」と女性職人の田少梅さんは語る。

  端午節(たんごせつ。中国の休日の一つで、旧暦の5月5日にあたる)の間、中国貴州省仁懐市茅台(マオタイ)鎮にある酒造工場で行われた社内麹踏み「レース」では、十数人の女性職人が蒸し暑い作業場の中で素足になり、麹を両足で1つ1つ踏んで「亀の甲羅型」に盛り上がった塊にしていく。どの女性職人も熟練しており、1つの麹の塊を造るのに1分間もかからない。

  端午節の頃に麹を造り、重陽節(中国の伝統的な行事の一つ。 旧暦 の9月9日にあたる)の頃に材料を加える。これは貴州省仁懐市茅台鎮で長年の昔から気候風土に合わせて作り上げられてきた特殊な醸造法だ。毎年端午節の頃になると、茅台鎮の大小さまざまな酒造工場では年に1度の麹造りが始まる。長年の伝統にならって、麹踏みの作業は若い女性が行う。

  「茅台鎮では端午節の前後に雨量が増え、気温も徐々に上る。高温多湿の環境では微生物がしっかりと繁殖するため、独特の香りを放つ白酒(パイチュウ、中国の穀物を原料とする蒸留酒)のコムギ麹の製造作業がしやすくなるのだ」。この酒造工場で製造部長を務める張宝賀さんがこう語った。

  茅台鎮はスコットランドのウイスキー、フランスのコニャックと並ぶ世界の名酒「貴州茅台酒」の故郷だ。茅台酒造りには茅台鎮独特の気候、土壌、微生物環境などの要素が不可欠となるため、茅台鎮以外の場所では茅台酒を造ることはできない。それゆえ、ここは酒造りで有名な町となった。

  機械化が進んだ今日でも、茅台鎮にある酒造工場では、その核心的な生産プロセスにおいては伝統的な製法が頑なに守まれ、機械ではなく人の手による作業が行われている。遵義市酒業協会の周山栄副事務局長は、「麹造りだけでなく、材料を加える作業でも、機械による作業は熟練した職人技には敵わない。材料を加えてむらなく均一にのばすといった細かい作業が、酒の口当たりと品質に直接影響するのだ」と語る。

  「酒造りで最も大切なのは酒をつくる人間だ。彼らがいてこそ、昔から今まで優れた品質を受け継いでいくことができるのだ」と周氏は語っている。(記者/李黔渝)

 

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新華網日本語

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新華網日本語 2018-06-21 11:10:03

  【新華社貴陽6月21日】「裸足でないと水分と小麦の砕け具合がわからないし、麹(こうじ)の塊の柔らかさや締まり具合も把握できない。麹は、中はふわっとして、表面がなめらかなものが合格だと言える」と女性職人の田少梅さんは語る。

  端午節(たんごせつ。中国の休日の一つで、旧暦の5月5日にあたる)の間、中国貴州省仁懐市茅台(マオタイ)鎮にある酒造工場で行われた社内麹踏み「レース」では、十数人の女性職人が蒸し暑い作業場の中で素足になり、麹を両足で1つ1つ踏んで「亀の甲羅型」に盛り上がった塊にしていく。どの女性職人も熟練しており、1つの麹の塊を造るのに1分間もかからない。

  端午節の頃に麹を造り、重陽節(中国の伝統的な行事の一つ。 旧暦 の9月9日にあたる)の頃に材料を加える。これは貴州省仁懐市茅台鎮で長年の昔から気候風土に合わせて作り上げられてきた特殊な醸造法だ。毎年端午節の頃になると、茅台鎮の大小さまざまな酒造工場では年に1度の麹造りが始まる。長年の伝統にならって、麹踏みの作業は若い女性が行う。

  「茅台鎮では端午節の前後に雨量が増え、気温も徐々に上る。高温多湿の環境では微生物がしっかりと繁殖するため、独特の香りを放つ白酒(パイチュウ、中国の穀物を原料とする蒸留酒)のコムギ麹の製造作業がしやすくなるのだ」。この酒造工場で製造部長を務める張宝賀さんがこう語った。

  茅台鎮はスコットランドのウイスキー、フランスのコニャックと並ぶ世界の名酒「貴州茅台酒」の故郷だ。茅台酒造りには茅台鎮独特の気候、土壌、微生物環境などの要素が不可欠となるため、茅台鎮以外の場所では茅台酒を造ることはできない。それゆえ、ここは酒造りで有名な町となった。

  機械化が進んだ今日でも、茅台鎮にある酒造工場では、その核心的な生産プロセスにおいては伝統的な製法が頑なに守まれ、機械ではなく人の手による作業が行われている。遵義市酒業協会の周山栄副事務局長は、「麹造りだけでなく、材料を加える作業でも、機械による作業は熟練した職人技には敵わない。材料を加えてむらなく均一にのばすといった細かい作業が、酒の口当たりと品質に直接影響するのだ」と語る。

  「酒造りで最も大切なのは酒をつくる人間だ。彼らがいてこそ、昔から今まで優れた品質を受け継いでいくことができるのだ」と周氏は語っている。(記者/李黔渝)

 

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