【新華社北京6月12日】「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想の進展に伴い、インフラを含む相互接続性プロジェクトが、世界の企業と金融機関のために限りない投資機会をつくりだしている。カザフスタンのアスタナ国際金融センター(AIFC)のKairat Kelimbetov総裁はこのほど、中国の金融機関と協力を強化、「一帯一路」構想から機会を見い出し、沿線諸国間の経済貿易提携を深化させるよう期待を示した。Kelimbetov氏はカザフスタンで中央銀行総裁などの要職を歴任した。
「中国の銀行がアスタナに支店を設立し、中央アジアで事業を展開中の企業のために融資支援を提供することを歓迎している」と、Kelimbetov総裁。
AIFCはカザフスタンの金融特区で、同国政府が提唱し建設、「一帯一路」構想に応じ中央アジア地域の金融拠点を構築するのが目的。今年1月の正式発足後、多くの国際金融機関や企業が注目している。 中国国家開発銀行はこのほど、アスタナ事務所を設立、中国とカザフスタンとの経済貿易提携のために多角的な金融支援を提供する方針を打ち出した。同銀行はAIFCに進出した中国初の国有金融機関。また、アスタナ事務所は、同銀行が初めて中央アジアに設立した正式な機関であり、7番目の海外事務所。
Kelimbetov総裁は「われわれは多くの中国系銀行と提携について相談中で、一部は適正評価の段階に入っている」と述べた。
同総裁によると、AIFCが創設時から速い発展を遂げているのは、中国との日々深化する経済貿易提携に加え、「一帯一路」構想の追い風もあるからだという。
データによると、中国とカザフスタンの経済貿易提携は急成長の勢いを見せている。両国の貿易額は2017年に前年比37・4%増の180億ドルに上った。中国商務部の高峰報道官は、包括的戦略パートナーシップを構築して7年、「一帯一路」構想とカザフスタンの新経済政策「光明の道」との融合により、両国の経済貿易提携は大きな成果を挙げたと評価した。
中国はカザフスタン最大の商業貸付提供国と同時に4番目の投資国になり、資源以外の分野での投資、金融協力も急ピッチで進んでいる。 上海証券取引所はAIFCの戦略パートナーになっており、アスタナ国際取引所の25・1%の株式を保有。絲路基金有限責任公司もこのほどAIFCと協定を締結、同取引所の一部の株式を取得することで合意した。
Kelimbetov総裁は「これらの連携はわれわれの新規設立の取引所に流動性と、広範な中国人投資家の関心を集めるだけでなく、われわれのために資本市場発展の貴重な経験をもたらす」と述べた。 Kelimbetov総裁によると、カザフスタンは新たな国有企業改革を実施中で、今後5年、上場国有企業の時価総額は同国国内総生産(GDP)の40%に相当する見込みだ。「中国の改革開放の経験はカザフスタンにも大いに役立つ。中国の自主的、確固たる開放と『試験してから普及』というやり方は、カザフスタンにとっても参考になる」と同総裁。
「われわれは人民元の国際化に積極的に参加し、カザフスタンで人民元決済・決算センターを立ち上げ、中国の適格国内機関投資家プロジェクトを通じ、より多くの中国企業の投資をカザフスタンに受け入れる」と、Kelimbetov総裁は期待を示した。
中国とカザフスタンはこのほど、共同声明を発表。それによると、金融協力を拡大し、貿易と投融資における自国通貨決済の使用規模を拡大する。その上で、両国の中央銀行の通貨スワップ協定を徹底し、融資と担保の方式に新機軸を打ち出し、さまざまな投資プラットフォームを活用、投資・貸付の結合に力を入れるという。
Kelimbetov総裁は、緊密な金融協力により、両国経済貿易関係を一段と向上させるとし、「国交樹立以来、中国とカザフスタンの経済貿易関係は一層発展している。将来、エネルギー、生産能力提携、農業、インフラ、越境EC、フィンテック、情報産業などの面で、より多く成長分野が生まれると信じている」と述べた。
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