【新華社ケベック6月11日】2日間の日程で行われた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)が9日、閉幕した。トランプ米大統領は貿易問題で厳しい口調を変えず、G7内部の対立は深まった。
サミット後に発表された首脳宣言は、包摂的な経済成長、男女平等と女性の権利、世界平和と安全、将来の就業機会、気候変動及び海洋問題などの内容に言及した。
カナダのトルドー首相はサミット後の記者会見で、サミットは成功し、G7首脳全員が首脳宣言の採択に合意したと述べた。ただ「米大統領の貿易と世界に対する見方を変えるものではない」と述べ、トランプ氏の貿易問題で見せた厳しい口調は、G7が貿易問題でさらに多くの仕事をしなければならないことを物語っていると指摘した。
トルドー氏はまた、G7のうち5カ国が環境と海洋保全に関する協定を定めることに同意したと述べた。カナダ政府関係者によると、米国と日本はプラスチック削減で明確な目標を示すことを望まず、同協定に調印しなかったという。
トランプ氏は9日午前、サミットを途中で退席し、大統領専用機でシンガポールへ向かった。トランプ氏は出発前、各国首脳と一連の会談を行い「公平で互恵的な」貿易の必要性とイランの脅威への対応について協議したと語った。トランプ氏は関税、貿易障壁、補助金の撤廃を呼びかけ、米国は不公平な貿易を防ぐために必要なあらゆる措置を取ると強調、米国の鉄鋼・アルミの輸入関税に対し報復しないよう警告した。
しかしトランプ氏はサミット閉幕後すぐ、大統領専用機からツイッターで、トルドー氏の記者会見での「誤った発言」とカナダが米国の農民や労働者、企業に「多額の関税を課している事実」に基づき、首脳宣言を承認しないよう米代表団に指示したと述べた。
米国が1日に欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対し鉄鋼・アルミの輸入関税を発動したことは、これらの国を激怒させ、強烈な反発を引き起こした。今回のサミットでは開催前から米国とドイツなどとの間で、貿易問題とイラン核問題等をめぐる意見の対立が目立っていた。国際世論には今回のサミットで慣例通り首脳宣言が発表されるかどうか疑問視する声もあった。カナダのケベックでサミットを報道した国際メディア各社の間では、貿易と気候などの重要な問題で、米国とその他の国との溝は日増しに深まる一方との見方が大勢を占めている。
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