19日、ワシントンでメディアの取材に応じる劉鶴氏。
【新華社ワシントン5月20日】中国の習近平国家主席の特使である劉鶴国務院副総理は15~19日、米政府の招きに応じて訪米した。数日間に及ぶ難しい協議の末、中米両国は最終的に貿易戦争回避という共通認識に至った。19日午後には中米経済貿易協議に関する共同声明を発表し、双方はさまざまな分野での経済貿易協力の強化を明言した。今回の訪米は前向きかつ実務的で建設性や成果に富み、両国元首がこれまでに合意した重要な共通認識を実行するもので、両国民や国際社会にとって良い知らせとなった。
劉鶴氏が2月末に訪米して意思疎通を図り、米国が5月初めに代表団を中国に送って協議を行った。その後、習近平国家主席がトランプ米大統領との電話会談に応じ、今回劉鶴氏が代表団と共に再訪米し「両国元首が合意した共通認識の指示の下、双方が問題解決に向けて絶えず邁進している」という、はっきりしたシグナルを送った。
北京での「率直かつ効率良く、建設性に富んだ」協議から、ワシントンでの「前向きかつ実務的で、建設性や成果に富んだ」協議に至る表現の変化は非常に深い意味があり、協議の回数が増えただけでなく、成果が絶えず前向きに進展したことを表している。前回の協議では双方共に一部の問題で大きな意見の相違があったが、今回は双方が多くの具体的分野で大きな進展を見せた。例えば、エネルギーや農産物、医療、ハイテク製品、金融などの分野で経済貿易協力を強化し、知的財産権保護に関する協力を深め、双方向の投資を促すといった内容だ。こうした得難い成果の背景には、双方共に両国元首が合意した重要な共通認識を実行し、貿易紛争の適切な解決方法を積極的に模索した不断の努力が存在する。
交渉とは互いに思いやり譲り合うものであり、妥協の中に利益の交わりを見いだすものだ。一方が損をする取引は永続せず、双方のウィンウィンの協力関係こそが長続きする。今回発表した中米経済貿易協議に関する共同声明は双方のウィンウィンを実現する模範と言える。米国は中国に対し良質なエネルギーや農産物の輸出を拡大することで貿易赤字を削減し、経済発展を促進することができる。中国は製品供給の多元化と良質化を促進し、質の高い経済発展に対応し、国民のニーズを満たすことができ、世界各国の人々の福祉向上にもプラスとなる。
風雨がなければ虹を見ることができないように、一つひとつの合意を得るのは決してたやすいことではない。北京でもワシントンでも、米国側の理不尽な要求に対し、中国政府は強い対抗姿勢を見せて決して妥協せず、相手の設定した限定条件を受け入れることはなかった。全ては国家と人民の利益から出発したもので、中国の実際的な発展ニーズを出発点とすることは、中国側が協議で終始守ってきた原則だ。
「3尺にも達する厚い氷は1日の寒さでできたものではない」というように、両国の経済構造や文化認識などにおける相違は、両国の経済貿易紛争の解決を長期化させ、困難かつ複雑にしてきた。よって意見の相違をコントロールして問題を解決するには、双方のさらなる誠意や知恵、忍耐がなくてはならない。貿易問題発生時の剣を抜き弓を張るような緊張状態は、今日の協議において段階的な成果を上げるまでに緩和された。これは良いスタートだと言える。両国が互いを尊重し、互恵とウィンウィンという共通理念を持ち続ければ、越えられない山や谷はないと確信している。
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