【新華社ワシントン3月14日】トランプ米大統領は13日、レックス・ティラーソン国務長官の後任に、中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官を起用すると発表した。米朝首脳が会談を計画しているとのニュースが出てすぐに、トランプ氏がこのような決定をしたのはなぜか、じっくり考える価値がありそうだ。
▽ティラーソン国務長官、解任は想定外か
ティラーソン氏とトランプ氏が長い間「対立」していたことは前から知られていた。この1年、両者は重要な問題に関して、公の場でたびたび意見を衝突させてきた。
イランの核問題では、ティラーソン氏がイラン核合意にとどまることを主張する一方、トランプ氏は何度も離脱の可能性をちらつかせた。朝鮮半島問題では、昨年9月に米朝首脳が「舌戦」を繰り広げ、ティラーソン氏は対話を主張したが、トランプ氏はツイッター上でティラーソン氏に対し「エネルギーを無駄にするな」と批判した。
トランプ氏は13日にツイッターで、新国務長官を指名する内容の発言をした。その後、記者会見を行い、国務長官を解任されることでティラーソン氏は「もっとハッピーだろう」と語った。
スティーブ・ゴールドスタイン国務次官は同日、ティラーソン氏は解任の具体的な理由について、現時点でまだ説明を受けていないとコメントしている。
昨年末、ホワイトハウスが国務長官を更迭するという噂が一気に広がった。複数のホワイトハウス職員が匿名でメディアに対し、トランプ氏がポンペオCIA長官をティラーソン氏の後任として検討していることを明らかにしていた。だが、ホワイトハウスは当時、この噂を否定した。
▽ポンペオCIA長官とは
ポンペオ氏は2017年2月のCIA長官就任以来、トランプ氏の「お気に入り」と言える。
トランプ氏は13日の記者会見で、ポンペオ氏とは「良好な関係」とし、彼は「優れた」国務長官になるとの認識を示した。
ポンペオ氏自身は以前、CIA長官就任以来、週に数日はホワイトハウスを訪問し、トランプ氏に情報ブリーフィングを行っていると明らかにしたことがあり、トランプ氏との関係は良好だと公の場で語っている。
ポンペオ氏は1963年生まれ。ウエストポイント陸軍士官学校卒業後、5年間軍隊で勤務した。その後、ハーバード・ロー・スクールで学び、卒業後は弁護士やビジネスのキャリアを積んだ。共和党に所属し、2011~17年はカンザス州選出の連邦下院議員を務めた。トランプ氏の大統領就任後、直ちにCIA長官に指名された。
▽米朝首脳会談への影響は
トランプ氏は13日にホワイトハウスが発表した声明の中で、ポンペオ氏は「重大な局面」で国務長官を務める人物として最適との考えを示した。また、ポンペオ氏が引き続き朝鮮の非核化に取り組むことに期待しているとした。
同日、ホワイトハウス高官はメディアに対し、トランプ氏がこの時期に国務長官を交代させる理由について、近く実施される米朝首脳会談や貿易交渉の前に「新チーム」のスタッフを「位置に着かせる」ことを望んだためと語った。
ポンペオ氏も同日に声明を発表し、国務院を指揮し、トランプ氏の外交政策を策定・実施できることが楽しみだとしている。(記者/劉晨 王超 朱東陽)
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