【新華社北京2月28日】中国の研究者はコメの品質と収穫量を同時に向上させる重要な遺伝子を発見し、植物細胞のGタンパク質信号伝達経路による種子の大きさ制御の新しい分子メカニズムを突き止めた。水稲新品種の開発への利用が期待できる。27日付の国際科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表された。
この研究成果を挙げたのは中国科学院遺伝・発生生物学研究所の傅向東研究員率いる研究チームで、傅研究員は記者の取材に対し、「私たちの『初心』は、イネ多収の重要な遺伝子dep1のために理想的な『伴侶』を探すことだ。探すのに8年間も必要だったとは思わなかった」とユーモアを交えて語った。
dep1は種子の数を増やすことができ、中国の水稲品種改良に大きく貢献しているが、それで開発した水稲品種のコメの品質はいまひとつだという。傅研究員のチームは最終的に、品種改良への利用価値がある優良対立遺伝子lgy3を選定した。このlgy3は高いコメの品質と高い収穫量という二つの優良形質を同時に実現することができる。
育種専門家の鈕中一氏は、優良対立遺伝子lgy3の発見と応用によってコメの多収と良質の対立を解決することが期待できると指摘し、将来、スーパーライスの新品種開発に利用され、味も良くし、収穫量も増やし、農民の増収につながると語った。
オックスフォード大学植物学部のニック・ハバード教授は「同研究は多収良質水稲の分子設計育種のために、重要な運用価値のある新たな遺伝子を提供した」と話している。
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