新華網第7回「縦論天下」国際問題シンポジウムが26日、北京で開催された。
新華網北京12月27日(記者/何険峰)新華網第7回「縦論天下」国際問題シンポジウムが26日、北京で開催された。新華社の元副社長で、新華社世界問題研究センターの高秋福名誉主任ら13人の国際問題の専門家がシンポジウムに出席した。
今回の「縦論天下」国際問題シンポジウムは、「『ブラックスワン』(めったに起こらないが、壊滅的被害をもたらす事象のこと)の続発及び『中国への影響』」「『一帯一路』構想と中国プラン」「2017年世界の新構図の脉を捉える」といった3大議題に分けて討論が行われた。
『ブラックスワン』の続発と中国への影響
王逸舟(北京大学国際関係学院副院長、中国国際関係学会副会長)は次のように説明した。『ブラックスワン』が多発する現状において、中国は3つの基本原則を遵守しなければならない。第一に、戦略を慎重に展開する原則;第二に、危機管理の原則;第三に、適時に補正する原則。王逸舟氏は現在の環境のもとで、中国は適時に補正するメカニズムを確立し、『ブラックスワン』現象が続発するなどの状況のときに、中国が危機をスムーズにコントロールできるようにする必要があるとの見解を示した。
中米関係について、滕建群(中国国際問題研究院米国研究所所長)は次のような見方を示した。経済貿易分野及び安全分野の競争が激しくなるだろう。「米国の製造業は現在、グローバル化の打撃を受けて収拾がつかなくなり、利潤を得ている、又は米国の財政を支えているのはウォール街の銀行だが、中国が銀行を開設することは既存の国際金融システムに対する一種の補充であり、誰もが利潤を得ることができる。」
中日関係について、新華社世界問題研究センターの張焕利研究員は、日本の安倍内閣は中国と全面的に対抗する「反中国」外交を展開しているとみなしている。張焕利氏は中国は必ず日本・安倍政権の「反中」外交に対し真っ向から対立する戦略的な方針を策定せねばならないと呼びかけている。
『一帯一路』構想及び中国プラン
王文(中国人民大学重陽金融学院執行院長)は次のように受け止めている。世界に巨大な変化が起こっている。まずは金融構造の変化で、世界の金融構造は急速に東に移動している。次に、権力の変化で、中国は20カ国・地域グループ(G20)杭州サミットを開催し、今年10月に人民元は特別引出権(SDR)の通貨バスケットに採用された。さらに、観念構造の変化で、現在、ますます増加する発展途上国と新興国は「ワシントン・コンセンサス」は破綻したと考えている。
金灿栄(中国人民大学国際関係学院副院長)は次のように指摘する。『一帯一路』構想には必然性がある。第一に、中国国内の生産能力は過剰であるため、生産能力を外部に移転させることで国内の重圧を軽減できるだけでなく、移転先の国の当地の人々にとってもメリットがある。次に、『一帯一路』構想の推進は、エネルギー供給源を確保できるうえに、人民元の国際化を推進できる。最後に、中国の海外にある利益も保護しなければならない。金灿栄氏はまた、発展途上国とグローバルガバナンスはともに『一帯一路』構想を必要としていると述べた。
2017年世界の新構造の脉を捉える
徐長銀(新華社世界問題研究センター研究員)はトランプ氏の就任後、中米関係の発展の機会は試練より大きくなると見ている。徐長銀氏は、次のように指摘した。トランプ氏は米国大統領に正式に就任する前に、先に気勢をあげて相手を圧倒し、中国に圧力をかけたいと考えている。トランプ氏は就任後、米国経済の利益の最大化を追求すると予想される。「中米関係の発展は一人の米国大統領の良し悪しによって決まるのではなく、両国の基本的利益と合致すべきだ。トランプ氏に対しては原則性が求められ、フレキシブル性も必要であり、中米両国は協力すればウィンウィンを実現できるが、対立すれば両者が敗北する。」
張軍社(中国海軍軍事学術研究所研究員)は次のような意見を述べた。2016年の英国のEU離脱、トランプ氏の次期米国大統領当選などの『ブラックスワン』現象は、2017年にも引き続き影響力を及ぼすだろう。トランプ氏の「米国優先」政策は今後の一定の時期の国家間の関係と世界の構図に深刻な影響を及ぼすと見られる。中国はまず、冷静さを保ち、落ち着いて対応すべきだ。その後にボーダーラインを堅守し、揉め事を起こさず、事態を恐れないようにすべきだ。
(新華社より)
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