新華網東京8月5日 (新華社記者/劉秀玲、沈紅輝)日本の安倍晋三首相は3日、内閣改造を行い、外交、経済、財政などの事務を担当する主要閣僚を留任し、右翼派の政治家、稲田朋美議員を新しい防衛大臣に任命した。
右翼派防衛相が入閣
稲田議員の防衛大臣としての入閣は、日本の国内外で注目を集め、特に中国と韓国などの周辺国が不安感を示したのは、稲田氏は右翼派で軍国主義傾向が強いためだ。歴史問題で、稲田氏は日本の侵略の歴史を翻そうと躍起になっている。以前に安倍内閣で閣僚在任中に稲田氏は毎年、A級戦犯を祭祀する靖国神社を参拝し、「靖国神社は不戦の誓いをするところではなく、国家のために先代から後世へと受け継ぐことを宣誓する場所だ」と公言している。稲田氏はまた、「慰安婦」制度が戦時中は「合法」だったと主張し、中国侵略旧日本軍の南京大虐殺の罪行を認めていない。
稲田氏はさらに、憲法改正の極力な推進者でもある。稲田氏は現行の憲法を「自虐的」で、且つ「日本を保護できない」と批判し、若年層に「自衛隊体験」をさせることを何度も提案し、日本が集団的自衛権を行使するように精力的に吹聴している。
政権の安定を確保
今回の内閣改造は中等規模で計19人の閣僚のうち、計8人が留任し、8人が初入閣した。
今回の内閣改造で退任した閣僚はスキャンダルが発覚した森山裕農林水産相、高木毅復興相、7月の参議院選挙で落選した岩城光英法務相、島尻安伊子沖縄北方領土事務担当相だった。世論では これらの人物の退任によって、安倍首相は内閣の中の不安定要因を排除したという見方が一般的だ。
日本の世論は、次のように認識している。上記の人事配置は安倍内閣の既存の骨組みを維持するとともに、新人の入閣によって自民党各派の内閣における人数を調整し、安倍首相を支持する実力派が自民党をリードする。このため、安定とバランスの両方に配慮し、政権の安定に着目した「防守型構造」になっている。
経済と憲法改正に着目
アナリストは新内閣の発足後、以下の2つの主要課題への対処に重点が置かれると分析している。
第一は経済問題。経済政策の一貫性を確保するため、安倍首相は財務相と経済再生相の2人の大臣を留任させ、「アベノミクス」のより一層の推進を期待しているが、日本の世論は見通しは明るくないと予想している。
次に、憲法改正問題。平和憲法の改正によって、戦後体制の束縛を解くことで、日本をいわゆる「正常な国家」にすることが安倍首相が一貫して追求する政治目標だ。今回の内閣改造後の新内閣のメンバーの政治的立場を見ると、憲法改正派が大多数を占める。韓国の『朝鮮日報』は新内閣は右翼色が一段と濃くなっているため、安倍首相が憲法改正のペースを速めようとしていると予測されると指摘している。
(新華社より)
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