国家国防科技工業局が発表した情報によると、月探査機「嫦娥3号」着陸機は7月28日に月上陸を果たしてから現在まで31ヵ月が経過し、耐用年数を19ヵ月超過しながらもその仕事をし続けている。嫦娥3号と共に月に向かった月面ローバー「玉兎号」は先ほど、稼働を停止した。設計上の耐用年数がわずか3ヵ月だった「玉兎号」だが、「定年」後も働き続けた。昨晩まで2万人以上のネットユーザーたちが微博(ウェイボー)の公式アカウント「月球車玉兎」が投稿したメッセージにコメントを残し、別れを惜しんだ。京華時報が伝えた。
「玉兎号」の退役が発表された当日、無数のネットユーザーがコメントを残し、別れを惜しんだ。あるネットユーザーの「私が北京航空航天大学を卒業したら、きみを月から連れ戻し、博物館で快適に眠ってもらうからね」という涙を誘うコメントに対しては、9000人以上がいいね!をクリック。
なぜこれほど多くのネットユーザーが、「玉兎号」との別れを惜しんでいるのだろうか?実は「玉兎号」の人気の理由が、その「利口さ」にある。この孤独なウサギは、非常に原始的な「脳」により、日の出から日没まで月の写真を撮影し、地下に埋蔵されている秘密を探り、月の放射線の強度を測定した。また、将来的に月に上陸する宇宙飛行士のために水分を探したり、微博の「ファン」とも忙しく交流した。彼は起床すると愛らしくアピールし、時には真面目に科学知識を紹介することもあった。同じく宇宙探査をする外国の友人に「出会う」と、親しげに声をかける。一家団欒の中秋節になると、月で一人ぼっちの「玉兎号」は孤独な涙をぐっとこらえた。さらには宇宙探査中の仲間が苦戦している時、彼は力強いエールを送ることを惜しまなかったのだ。
中国の無数のネットユーザーが「玉兎号」のおかげで、38万キロ離れた広大で変わった世界と、尽きることなき星空を目にした。そのため、「玉兎号」の微博公式アカウントにおける投稿は、「2014年度中国十大科学普及ニュース」に選ばれた。
(人民網日本語版)
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