7月21日、2000人余りのミサイル防衛システム「THAAD」の配備地星州郡(ソンジュぐん)の民衆はソウル駅広場で集会を行い、「THAAD」システムの配備に反対した。
新華網北京8月1日 (記者/薛天依)米韓両国はつい先日、ソウルで共同声明を発表し、米韓が在韓米軍基地に「THAAD」システム(終端高高度地域防衛システム)を配備することに決定したと伝えた。米韓のこの決定が発表されてまもなく、韓国民衆から即刻強く反対されただけでなく、国際社会、特にアジアの隣国からの高い関心と警戒を引き起こした。中国社会科学院の日本問題専門家、呂耀東研究員は、韓国での「THAAD」システムの配備は当地域の他国における安全保障上の利益を著しく損ね、北東アジア情勢をいっそう複雑にさせているが、日本政府がこれを積極的に支持する背後には下心があるとの見方を示している。
「THAAD」システムが韓国に導入された真意は別のところにある
韓米は、「THAAD」システムの配備は、「朝鮮の核やミサイルの脅威」に対応するためで、「第三国を対象としたものではない」と何度も表明している。これに対して呂研究員は次のようにと指摘している。米国による韓国での「THAAD」システムの配備は、各当事者が対話と協議で問題を解決しようとする努力に反するもので、きっと朝鮮半島情勢に新たな変数を加え、アジア太平洋地域、特に北東アジア地域の安全と安定に役立たないものとみなしている。
呂研究員は「THAAD」システムのカバー範囲は 朝鮮半島の防衛ニーズをはるかに超えている。米国による「THAAD」システムの韓国導入が朝鮮に対してのみならず、中露をより威嚇することは、北東アジア地域の情勢をいっそう複雑且つ動揺させ、朝鮮半島、地域及び世界の平和と安定にマイナスの影響をもたらすだろう。
日本が「THAAD」システムの配備を歓迎する背後には下心がある
米韓が韓国での「THAAD」システムの配備を発表した当日、日本・萩生田光一官房副長官は記者会見でそれを歓迎し、支持する意を示した。萩生田官房副長官は「米韓の協力推進は地域の安定と平和に役立つ見通しで、我が国はこの決定を支持します」と述べている。
呂研究員は次のように述べている。日本が韓国での「THAAD」システムの配備を積極的に支持する主な目的は、米日韓のミサイル防衛連盟の構築を通して米日間の軍事同盟関係を固め、『日韓軍事秘密情報保護協定』の締結を完成させ、かねてから企んでいた日韓軍事協力関係を構築する上で、米日韓のアジアにおける軍事安全保障協力関係を全面的に構築し、中国とロシアを抑制しようとすることにある。しかし、日韓双方にとっては、歴史問題や領土問題及び韓国民衆の「THAAD」システム配備への強い反対といったすべてが、日韓が安全保障面において協力を行うための深刻な抵抗となっており、成功できないものと予め定められているのだ!
(新華社より)
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