昨年中国のメディアが、韓国の美容整形業の実態――価格詐欺、副作用、違法仲介―を報じて以降、中国人の韓国での整形ブーム熱が急速に低下している。シンガポールの『聯合早報』は26日、2015年に韓国で美容整形を受けた中国人の数が20%減少し、韓国に変わって日本や中国台湾に行く人が増えたと伝えた。
韓国メディアの報道によると、韓国の整形業者が集中しているエリアは江南区の狎鴎亭(アックジョン)。かつて中国人の間で名が知られていたある整形病院では、現在でも中国人の姿を見かけるものの、その数はかつての賑わいとは比べようがない。その隣の別の病院でも状況は似たり寄ったり。外国客のほとんどはタイ語や日本語を話している。
中国人の整形客の数が減少したことで、付近の商業エリアも不景気に陥り、整形病院のベッドに空きが増えるだけでなく、家賃も30%ほど下落している。
中国人の顧客を減少させた原因は何か。ある整形外科医は「一番の原因は多額の中間マージンを仲介業者が搾取しているためだ」と話す。ある仲介業者は手術代の50~90%というまさに暴利をむさぼるために、最初の見積書の段階から中国人をだましているという。
このほか相次ぐ手術中の事故も韓国整形に対する中国人のイメージを悪化させた。昨年10月、江南区の病院では脂肪吸引の手術を受けていた顧客が相次いで死亡する事故が起きた。その後の調査によると、本来毎回破棄すべきプロポフォール(麻酔剤)が繰り返し使われていたという。
このほか、無免許の医者が代理手術をしていることも報告されている。ある病院では人手不足のため経験の少ない医者が手術をし、その後の合併症の管理がなされていないことも指摘されている。外部の医者を自分の病院で使う病院も多く、韓国の整形業全体の安全性が問題視されている。
韓国の保険福利部が26日発表した資料によると、2009年から2016年までに韓国に整形手術で訪れた人の数は6倍増え、その中で一番は中国人であった。2015年に同中国人の比率が最も高く64.3%だった。しかし最近、狎鴎亭の整形病院を訪れる外国人は年々減少。2014年の2万480人が、2015年には1万2000人となり、今年も減少傾向が続いている。
(チャイナネット)
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