李克強総理は29日の中国国務院常務会議で、旧来の川陜(四川·陜西省)革命根拠地の振興を促進し、同地区の生活水準向上を急ぐ方針を示した。また、原則として「中長期鉄道網計画」を承認し、交通の大動脈建設により経済社会の高度化を図る考えを示した。
中国の鉄道網の密度は先進国に比べて粗く、中西部を中心に路線の整備が遅れている。経済の大動脈となる鉄道網の建設は、安定成長と構造調整、有効投資の増加と消費拡大につながり、将来的にも大きな利益が見込める一挙両得の措置だと言える。会議は「中長期鉄道網計画」を原則として承認し、鉄道整備の規律に従い、経済と社会への効果を鑑み、鉄道インフラネットワークを拡大するよう求めた。道路や河川、航空路線などと有機的に連携する総合交通輸送体系を構築し、輸送能力の拡大を図る。
「十二五」(第12次5カ年計画、2011-2015年)期間中に、中国の鉄道投資は大きく伸びた。全国の鉄道固定資産投資額は3兆5800億元と過去最大規模、新規に建設した路線は3万500キロと最多となる5年間だった。「経済参考報」によると、「十三五」(第13次5カ年計画、2016-2020年)期の新規建設鉄道路線は2万3000キロ以上、総投資は2兆8000億元となる計画だ。地方政府のプロジェクトを含めれば、「十三五」期間中の鉄道投資額は2兆8000億元を遥かに上回る見通しだ。
中国民生銀行研究院の呉琦也研究員は、インフラの脆弱部分の補強として、鉄道建設の加速は新旧の原動力の転換を推進するとともに、構造調整の促進にプラスに働くと指摘。また、有効投資の拡大と経済の安定成長にもつながるという。欧米の先進国と比べ、中国の鉄道網は密度が粗く、1人当たりの鉄道営業キロ数も大きく下回る。鉄道建設の加速は、中国の鉄道設備、鉄道輸送、鉄鋼精錬、工事建設、建築材料、情報電子設備など関連産業にとって市場と雇用の拡大につながる。また、地域の交通状況を改善し、地域経済の発展をもリードするとみている。
(チャイナネット)
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