中国科学技術発展戦略研究院が29日、「国家イノベーション指数報告2015」を発表した。中国は主要40カ国(開発費の投入総額が世界の97%以上を占める40カ国)のうち18位と前年より順位を1つ上げ、イノベーション型国家との差を一段と縮小した。
専門家は、「中国のイノベーション力の発展水準は経済の発展段階を大きく上回り、世界の発展途上国をリードしている」と指摘。しかし米 日 韓と比べて、中国のイノベーション指数はまだ低く、依然として苦しい局面にあるという。
中国科学技術発展戦略研究院の武夷山 副院長は、「中国の国家イノベーション指数の順位はオーストラリアを上回る世界18位だ」とし、「十二五」(第12次5カ年計画、2011-2015年)の科学技術計画で示した発展目標を計画通りに達成したとしている。
武夷山副院長は「中国のイノベーション能力は、経済発展が同水準の国を大きくリードする」と強調。2014年の中国の1人当たりGDPは7590米ドルで、対象となった40カ国のうち、インドと南アフリカを上回ったに過ぎない。しかし、イノベーション指数では両国を大きく上回り、オーストリア、ベルギーなど1人当たりGDPが5万米ドル前後の欧州諸国に迫るという。
中国科学技術発展戦略研究院科学技術統計 分析研究所の玄兆輝 副所長は、中国の企業イノベーション指数は第12位で、昨年より1つ順位を上げたと指摘。2014年の中国の特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく特許出願数は前年の233件から270件に増加、順位は27位に1つ上がった。世界全体に占める第三者特許の件数の比率と、企業の開発費が付加価値に占める比率の順位は前年と変わらず、それぞれ第6位と15位だった。生産技術全体に占める企業独自の知財権の比率の順位は4つ上昇して9位となった。「これは中国企業のイノベーションの規模と質が安定的に向上していることを示す」としている。
専門家は、中国のイノベーション活動は比較的速い発展段階にあるが、開発費の持続的な増加が必要で、イノベーションの成果の拡散と実用化を重視すべきと指摘する。社会全体のイノベーションの成果と生産効率の向上や、科学技術イノベーションに関する制度改革の推進、国内市場の優位性と潜在力の発揮を通じ、イノベーション型国家の建設を推進すべきとの見方を示した。
(チャイナネット)
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