洪水で危険な橋に警戒テープを張る際、突然、コンクリートの道路が陥没し、1人の警官が穴にはまり、洪水となった川に落ちる寸前となった。慌てふためく同僚や見物人に対し、大声で制止した。この恐ろしい一幕は6月25日、湖北省で起こった。
6月24日、湖北省建始県北部にある長梁郷に暴風雨が襲来した。最高降雨量は300ミリを超えた。洪水により、長梁郷の下壩村にある小橋の橋脚が沈下。亀裂、陥没、穴ができるなど、橋は危険な状態にあった。25日正午12時ごろ、村民の通報を受けた警官の劉勇さんは、すぐに同僚の王小波さんと関警源さんを連れて現場を調査にやってきた。彼らは橋の損傷が甚大なのを知った。橋には亀裂が走っており、通行できない状態にあった。村人が事故に遭わないよう、橋の両端に警戒テープを張り、回り道を促すことにした。
劉勇さんらは橋の北側に警戒テープを張った後、危険を冒して橋の南側に行き、ここでも警戒テープを張った。橋の柵にはテープを巻くところがなかったため、劉勇さんはレンガでロープを抑えようとした。劉勇さんが橋の欄干付近に歩いて行ったとき、彼が立っていたコンクリートの道路が突然陥没した。劉勇さんは本能的に両腕を広げたため、穴に引っかかることができ、激流に呑み込まれずに済んだ。
洪水による浸水で、橋のたもとの道は下の基礎部分が流されており、丈夫そうに見えたコンクリートの道路は、実は下が空洞だった。それを知らない劉勇さんが上を歩いたとき、薄くなった道が破裂したのだった。助けを呼ぶ声を聞き、関警源さんと村民の黄金斌さんはすぐに駆け付け、手を差し伸べて劉勇さんを引き上げようとした。
劉勇さんは、「止まれ、来るな、危険だ！」とすぐさま救援者を制止させ、離れるように促した。薄くなった道は壊れやすく、いつでも崩れかねないと思ったからだ。
劉勇さんは足でまさぐり、陥没した穴の下方に足場のしっかりした石があるのを見つけた。石に足を置いてから、穴の隙間から下を観察すると、斜面があるのを見つけた。そこで彼は手を使って下に移動し、穴の中に入っていった。穴をくぐり、斜面に沿って川辺に滑り込み、緩やかな場所から岸に上がることで危険から脱出した。
