1つは欧米先進国の経験から、経済の発展に伴い、イノベーション駆動の重要性がますます明らかになり、要素駆動を主とした成長はイノベーション駆動を主とした成長に転換する必要がある点。中国は科学技術イノベーションを非常に重視し続けており、毎年巨額を投入している。高所得段階に達した後、イノベーションを推し進めるには全社会のパワーを投じる必要があり、イノベーション駆動の成果は全要素生産性の向上の有無によって試される。高所得段階になればなるほど、イノベーションの経済成長への寄与度を向上させる必要が生じる。
2つ目は、第二次世界大戦後に高取得段階に達したエコノミーの重要な経験として、対外開放の堅持と市場経済の実行が挙げられる点。そしてこの2点は過去30年余りにわたり中国経済がスピーディな成長を遂げた基本的な経験でもある。前者は外的条件で、後者は内的条件である。高所得段階に達した後、この2つの基本的な経験は依然として経済成長の駆動として欠かせない二つの車輪であり、一つも欠けてはならない。
3つ目は「中所得国の罠」を乗り越えて中進国への道を目指す上で、経済のポテンシャルをより一層解放し、経済の持続的な発展を支えるため、ソフト・パワーの増強に努力しなければならない点。ソフト・パワーとは無形的要素に属し、高所得段階において、その重要性は有形的要素に劣らない。ソフト・パワーの増強は主に制度と文化の構築から成り、これは一朝一夕で成し遂げられるものではない。そのため、現時点から一層重視することで、中進国入りと二つ目の百年奮闘目標達成の重要な土台となる。制度と文化のイノベーションを推し進め続けることで、中国のソフト・パワーはより強く、確固としたものになるだろう。
(人民網日本語版)
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